2018 Fiscal Year Research-status Report
歯周病による中枢機能障害の基盤となるストレス応答性亢進機構の解明研究
Project/Area Number |
17K11670
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山脇 洋輔 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (90584061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 隆 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 教授 (10264053)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PgLPS / 歯周病 / ミクログリア / 炎症 / 神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、歯科領域において歯周病罹患と中枢機能の関連性が明らかとなってきている。本研究の目的は、歯周病原性菌感染がストレス応答性などの中枢機能に与える影響とそのメカニズムについて、マウスおよび培養細胞を用いて解明を行うことである。歯周病原性細菌(Porphyromonas gingivalis)由来のリポポリサッカライド(PgLPS)を腹腔内投与したマウスの海馬において、投与24時間後に炎症性サイトカインおよびミクログリア活性化マーカーであるIba1の遺伝子発現が有意に上昇した。PgLPSは培養ミクログリア細胞(MG6)における炎症性サイトカインの遺伝子発現上昇およびNF-kBシグナル活性化(IKKのリン酸化亢進とIkBのDegradationの増大)を引き起こした。加えて、PgLPS処置したMG6の順化培地(CM)は培養神経細胞(N2a)のPgLPS非処置群に比べて有意に細胞死を上昇させた。抗うつ薬であるイミプラミンはPgLPSによるMG6の炎症応答を抑制し、またCMによる神経細胞死を抑制した。さらに、イミプラミンはマウス海馬におけるPgLPS投与による炎症性サイトカインの遺伝子発現を有意に抑制した。マウスを用いた行動試験において、PgLPSによる有意な影響は得られておらず、追加実験を行う予定である。今後、行動試験などの動物実験に加えて、培養細胞を用いて、ミクログリア-神経間の相互作用に着目、歯周病原性細菌感染による炎症応答が引き起こすストレス応答性の解明を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PgLPSによる脳内炎症がミクログリア活性化を伴うことからミクログリアとの関連性の可能性を示した。また、イミプラミンはPgLPS刺激によるミクログリアによる神経細胞死を抑制した。このことから、in vitroにおいて、PgLPS刺激によるミクログリア-神経細胞間の相互作用のメカニズムの一端を解明した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、行動試験の追加実験を行うとともに、in vitroの系を用いて、より詳細なミクログリア-神経細胞間の相互作用の機序解明に取り組む。
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Causes of Carryover |
転出が決定したため、マウスを用いた行動試験を年度内に終えることが不可能となった。このため、転出先で行動試験を行う予定に切り替え、予算を次年度へと繰り越すことになった。繰り越し金はマウス、PgLPSおよび解析のために必要な試薬の購入費用にあてる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Prolyl Isomerase Pin1 Suppresses Thermogenic Programs in Adipocytes by Promoting Degradation of Transcriptional Co-activator PRDM162019
Author(s)
Nakatsu Y, Matsunaga Y, Yamamotoya T, Ueda K, Inoue MK, Mizuno Y, Nakanishi M, Sano T, Yamawaki Y, Kushiyama A, Sakoda H, Fujishiro M, Ryo A, Ono H, Minamino T, Takahashi SI, Ohno H, Yoneda M, Takahashi K, Ishihara H, Katagiri H, Nishimura F, Kanematsu T, Yamada T, Asano T
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Journal Title
Cell Rep
Volume: 26
Pages: 3221-3230
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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