2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K11671
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
誉田 栄一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (30192321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 直樹 徳島大学, 病院, 講師 (10219272)
吉田 みどり 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (30243728)
細木 秀彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (60199502)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非磁性生体内合金 / 脳動脈瘤クリップ / 血管塞栓用コイル / MR撮影 / MRA |
Outline of Annual Research Achievements |
前回までの実験で、Au-Pt-Nb合金では、通常のMR撮影やMR Angiography (MRA)において、ほとんど金属アーティファクトが生じないことが判明した。この合金の組成をいろいろと変化させ、脳動脈瘤クリップの作製を行ったが、市販のクリップと比較して、弾性力が向上しなかった。そのため、クリップの複数回の開閉の後の把持力に問題が生じる可能性があるため、このままでは、市販とすることは非常に問題あると判断された。 一定以上の弾性力を得るためには、クリップの形状を新しく創作するか、基本の太さを太くするかの、いずれかの方法が必要であること示された。どちらの方法を検討するにしても、新たなクリップ用の金型が必要であり、金型作製費用を考えると、採択された科学研究費の金額では作製できないことがわかった。現在のところ、その時点でAu-Pt-nb合金を用いた脳動脈瘤クリップ作製に関する実験が中断している。 また通常のMR撮影やMRAにおいては、適切な組成を有するAu-Pt-Nb合金の周囲の組織は十分な画像が得られることから、血管栓塞用コイルの材料としての有用性が期待され、線引き加工を行った。現在、ある程度細くでき、コイル状態を作製することができた。 さらに、Au-Pt-Nbの機械的性質の限界から、より向上する機械的性質を有する、新しい合金作製を併行して行った。 これまでの研究によりAu-Nb合金はAu2Nb析出により磁化率が低下し、熱処理によって磁化率の調節が可能であることも示されたことから、Ptのかわりに、生体親和性のあるTiやZrを転化した合金作製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Au-Pt-Nb合金は組成を変えても、熱処理方法をかえても、一定以上の機械的性質の向上はほとんど困難であることが示された。そのため、Au-Pt-Nb合金よりも機械的性質が向上する金属を探していたがなかなか見つからなかったため、実験が当初の計画よりもやや遅れた。 しかし、Au-Nbを基本とすることで、機械的性質を向上させることができるといった実験方針を進めるうえで非常に有益な情報が得られ、今後の実験は順調に行うことができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
Au-Nb合金を基本として、TiやZrを添加することで、従来のAu-Ppt-Nb合金を上回る機械的性質を有する生体内合金が作製できる可能性があることが示されたので、その合金の適切な組成割合を決定する。 機械的性質に理想的な合金が得られたならば、製品化を考え、種々な用途で使用できるような加工品を作製する。
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Causes of Carryover |
Au-Pt-Nb合金を基に開発を進めていたが、機械的性質の向上に限界があることが、判明したため、添加金属の探索を行っていた。そのため、金属組成が定まらず、かなりの金額を計上していた金属材料の購入を見送ったため、全額を使用できなかった。
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