2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K11674
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 美穂 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (10437874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佛坂 由可 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (10244089)
中村 卓 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30172406)
高木 幸則 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (30295084)
片山 郁夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (80295089)
榮田 智 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (80325662)
角 美佐 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (90284702)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 拡散強調撮像 / 細胞内拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、細胞内・外の水分子の拡散を区別し、多様な生命現象に伴う核や細胞内小器官の変化を2次元、3次元的に捉えるための基礎を構築し、理論的モデルの構築を目指すことを目的としている。本年度は、培養細胞を用いて3TMRI装置を利用して超高b値を用いた拡散強調撮像を行い、細胞内・外拡散値の個別評価を試みた。 培養細胞(およそ3000万個)をPBS中で遠心しペレット状にした試料を水中に浸漬し、作成したMRI撮像用容器に固定する。使用したMRI装置はSiemens社製、MAGNETOM Skyra3Tである。一対の4チャンネルコイルを用いて、b値は0から4000s/mm2の範囲で16段階設定し、拡散強調撮像を行った。得られた信号強度を拡散係数とそのフラクションで構成される多項指数関数を用いて近似を試み、細胞内・外の拡散値を推定した。その結果、4~5次多項指数関数を用いることにより、拡散強調撮像の信号強度の減衰を複数の拡散係数の要素に分けることが可能で有り、細胞内においては、細胞質、核、細胞内小器官、膜成分等を区別して推定できることが示唆された。この結果を日本歯科放射線学会 第58回学術大会・第14回定例総会 (鹿児島)にて「高磁場・高b値における拡散強調撮像法」という演題で発表した。さらに、細胞の種類を変えて同様に実験を行うと、得られる拡散係数やフラクションが異なることが明らかとなった。現時点で、研究は概ね計画に沿って順調に進行している。 更に細胞の微細構造(細胞膜や核、細胞内小器官など)に基づく拡散係数をそれぞれ求めるために、細胞分画抽出キットを用いて個別に分離し拡散強調撮像を行い評価を試みており、次年度に継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養細胞を用いた実験では特に問題点はなく、おおむね当初の計画通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度と同様に培養細胞を用いるが、細胞より細胞核、細胞膜、細胞内小器官などの個別の成分を単離し、各々の拡散強調撮像を行い、前年度決定した拡散モデル式と対比しその妥当性について検証する。また、より生体に近い実験系で評価を行うために、マウスの脳組織を用いた実験系で検証するとともに、電子顕微鏡写真と対比を行い、細胞の微細構造と拡散係数の関係について明らかにする。
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Causes of Carryover |
細胞培養からMRI撮像までの一連の実験が当初予想していたよりもやや時間がかかるため、次年度も引き続き行うため。本年度の使用予定であった研究費の一部を次年度使用する。
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