2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌における磁性抗EGFR抗体を用いた温熱療法の開発
Project/Area Number |
17K11678
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中島 英行 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (30437032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
來生 知 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30545059)
光藤 健司 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70303641)
岡本 喜之 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (80536227)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 分子標的薬 / 抗EGFR抗体 / 温熱療法 / 磁性体 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行口腔癌に対する治療は外科的療法が主体となるが、術後の機能・審美障害など抱える問題は多く、新たな治 療法の開発が必要とされている。我々はこれまでに「温熱療法とEGFR阻害薬の併用療法の開発」の研究テーマでin vitro からin vivo マウス実験に至るまで、その抗腫瘍効果を報告してきた。 本研究では効率的な温熱療法とEGFR 阻害薬の併用療法を実現するため、抗EGFR 抗体に磁性体を結合させ、分子標的薬による抗腫瘍効果のみならず、同時に腫瘍特異的に加温が可能になる相乗効果が期待できる治療法の開発を目指す。本実験では、安全性が高く、より高い抗腫瘍効果が得られる工夫を目的に、トランスレーショナルリサーチの推進を行っている。 これまでの成果としては、磁性抗EGFR抗体の精製過程をよりシンプルで、安全性の高いdrugの作成を目標に実験を行ってきた。In vitro にて磁性抗EGFR 抗体の腫瘍細胞との結合能および、抗腫瘍効果を通常の抗EGFR抗体と比較検討を試みている。市販薬であるIronoxide(SIGMA-ALDRIH)を用いる方法にて抗EGFR抗体との結合を調整しているが、保存状態、保存期間において結合状態の安定性にばらつきがないか確認する必要があると思われた。今後はIn vitroで得られた実験データを元に、マウスの皮下腫瘍モデルを用いて磁性体付与抗EGFR抗体の腫瘍への集積をMRIで確認し、実際に磁場をかけた際の腫瘍加温状態をサーモグラフで観察するなど実験を進めていきたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床に従事する時間が大きくなったため、実験に携わる時間が少なくなった。 またコロナウイルスの影響などにより、ラボへの行き来および研究時間にも影響が生じたため、全体として進捗状況は遅れていると考える。 またin vitroにおける磁性体と抗EGFR抗体の結合実験において、結合した試薬の状態を安定に維持するのが困難であったため、次への段階に進むのに時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院生の協力を得ながら、実験を推進したいと考える。 試薬の安定性などについては、論文などを参考に知見を得ながら、シンプルかつ安定性のある結合試薬の精製方法を樹立し、in vivoに応用できるように取り組んでいきたいと考える。 実験の時間を確保できるよう、臨床とのバランスを再構成し、ラボワークを行う。また同様に学会への参加で知見を得て、発表も行えるよう実験を推進したい。
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Causes of Carryover |
当初購入を計画していた機器を、現在のところは購入せずに実験を進められていること。また学会への参加する機会が例年より少なかったことから、旅費の支出も減少したためと考える。 次年度は、より実験に必要な実験器具、試薬を積極的に購入・活用し、実験を推進したいと考える。また参加できる学会にも積極的に参加していきたいと思います。
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