2019 Fiscal Year Annual Research Report
Do Exosomes play a role in Alveolar Bone Loss in Periodontal Disease?
Project/Area Number |
17K11682
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鍵谷 忠慶 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (30405774)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エクソソーム / microRNA / 細胞外小胞 / 破骨細胞 / 歯周病 / ナノ粒子 / 炎症 / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで炎症性サイトカインやLPSを中心に議論されてきた歯周病の病態を、エクソソームという全く新しい視点から解明することを目的とする。これまで歯周組織を構成する細胞が、歯周病に罹患すると、細胞の内外でどのようなmicroRNAの発現変化が起こるかを調べるため、培養細胞で実験してきた。初代ヒト口腔上皮細胞をTNF-α存在下、または P. gingivalis由来のLPS存在下で72時間培養して、細胞内でのmicroRNAの発現を調べたが、細胞外へ分泌されるエクソソーム内のmicroRNAについては、他の歯周組織を構成する細胞、例えば歯根膜細胞と比べて分泌されるエクソソームの絶対量が少なく、データが得られなかった。また、生理的状態と炎症状態では、歯周組織の細胞から分泌されるエクソソームは異なるのか、異なるのならば、歯周病における歯槽骨の吸収にどのような影響を与えるかを調べるために、以下の実験を行った。ヒトCD14陽性細胞からM-CSF/RANKLを使って、破骨細胞を誘導する培養系へ歯周組織を構成する細胞から得られた炎症状態のエクソソームを添加した。TNF-α存在下で培養したヒト歯根膜細胞由来のエクソソームは、破骨細胞の大きさに影響するような傾向があったが、P. gingivalis由来のLPS存在下で培養したヒト歯根膜細胞由来のエクソソームでは、破骨細胞の大きさに変化はなかった。これについて、どのようなメカニズムが存在するのか、破骨細胞の骨吸収にどのような影響を与えるのかを、現在検討している。
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