2017 Fiscal Year Research-status Report
放射線による歯胚形成障害のメカニズムの解明~エナメル結節と周囲間葉の遺伝子動態~
Project/Area Number |
17K11687
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
岩田 洋 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (40328860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 吉昭 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (70409225)
深田 哲也 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (20386254)
中原 貴 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (10366768)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歯胚 / 放射線 / マウス / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児白血病患者に対する造血幹細胞移植の前処置の放射線治療など、小児期の放射線被曝が矮小歯、エナメル質減形成、歯胚の無形成(石灰化不全)などが生じることが知られているが、放射線による歯胚形成障害のメカニズムは未だに明らかでない。本研究では、放射線被曝による歯胚形成障害のメカニズムを明らかにすることを目的とし、歯冠形成期にあたる胎生期マウスにエックス線照射を行い、歯胚の組織学的、分子生物学的な解析を行う。 初年度である平成29年度は本実験を行うための準備として、再現性良く胎仔に限局して局所照射が行えるよう妊娠マウスの固定装置の作製、散乱線の分布、コントロールマウス胎仔歯胚の経時的な形態変化の確認、妊娠マウスに投与する麻酔量、胎仔が致死する線量についての検討を行った。本実験を行うためにさらに照射する線量を詳細に検討する必要があるが、傾向はつかめているため、次年度には照射線量を決定できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本実験で採用する妊娠マウスに行う照射方法が確立できため、研究は順調と考えるが、本実験に行う照射の線量の決定や本照射法による胎仔歯胚の組織変化まで確認できていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本実験で行う適切な照射線量を決定をし、放射線が歯胚に与える影響をHE染色、免疫染色(主に増殖マーカー)、TUNEL染色などにより、組織、細胞の変化を観察する。
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Causes of Carryover |
本年度に予定していた照射線量の決定、照射による胎仔マウス歯胚の組織変化を予備実験する予定であったが、遂行することができなかった。次年度に以上の検討を行うためのマウス代金、染色に関わる機材や染色液、キットなどを購入して、予備実験を済ませ、本実験に入る予定である。
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