2018 Fiscal Year Research-status Report
新たな根面う蝕治療に向けたバイオアクティブ材料とナノテク材料の応用
Project/Area Number |
17K11695
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 享 北海道大学, 大学病院, 講師 (90179771)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 考績 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (90222885)
田中 佐織 北海道大学, 大学病院, 講師 (90344522)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 根面う蝕 / バイオアクティブ材料 / ナノテク材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
根面う蝕の治療法について新たなアプローチを試みるために、バイオアクティブ材料・ナノテク材料による根面う蝕の脱灰病変部の再生強化について検討している。根面う蝕象牙質再生強化に効果があると考えられる材料として、既存の材料である亜鉛含有のBioUnionフィラー配合のグラスアイオノマーセメント・コーティング材、S-PRGフィラー配合のセメント・コーティング材およびMTAセメントを検討している。また、当教室が長期間にわたって研究を行っているナノテク材料である第1世代と第2世代の白金ナノコロイドは4META/MMA-TBBレジンの象牙質との接着強さを増加することを確認した。さらに白金ナノコロイドの保護膜として新たな成分が追加された第3世代の白金ナノコロイドが接着強さを強化するばかりではなく、根面う蝕牙質のコラーゲンの耐久性に関与ことが期待でき、根面う蝕への応用を検討している。微小引張接着試験の結果、第3世代の白金ナノコロイドを併用すると4META/MMA-TBBレジンの象牙質接着強さが併用しない場合に比べて増加することを確認した。さらにサーマルサイクリング試験を50,000回行った後でも、接着強さの低下はかなり低くなることを確認した。今後脱灰した象牙質においても接着強さの耐久性の検討を行い、臨床応用を目指す。また、脱灰病変の再生強化の指標として、各種の材料を根面う蝕に貼付した後の硬さの変化を臨床での使用が期待できるカリオテスターによって測定している。今のところ、試料数が少なく根面う蝕象牙質の明らかな硬化を確認するに至ってはいないが、試料数をさらに増やし検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究はこの実験に適したヒト抜去歯を用いて行うものであるが、昨年度と同様に実験に必要な被験歯の確保が予想以上に困難な状態が続き、実験の遂行が遅れたものとなっている。また、実験動物としてカニクイザルを用いる予定であったが、予定していた動物施設が使用できなくなり飼育が困難となった。そのため、カニクイザルでの実験から研究計画書に記載した対策法の通りラットを用いて実験を行うことになった。ラットによる実験遂行のため実験方法の検討、動物実験の委員会による承認ならびに予備実験が必要となり時間を費やしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験に使用可能なヒト抜去歯の確保に努めるとともに、抜去歯を用いた試料作製の方法を再検討し、より少ない本数での有効な試料作製法を検討し実施する。また、実験動物としてカニクイザルを用いる予定であったが、予定していた動物施設が使用できなくなり飼育が困難となった。そのため、カニクイザルでの実験から研究計画書に記載した対策法の通りラットを用いた研究に変更し遂行する。
|
Causes of Carryover |
本年度購入し次年度使用予定であった実験動物(カニクイザル)を動物施設が使用不可となり本年度購入しなかった。その費用の一部を消耗品の購入に充てた。差額の次年度使用額は代替え実験動物のラットの購入費に充てて実験を遂行する。
|
Research Products
(2 results)