2022 Fiscal Year Annual Research Report
Application of bioactive materials and nanotechnology materials for new root caries treatment
Project/Area Number |
17K11695
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 享 北海道大学, 大学病院, 講師 (90179771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 考績 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (90222885)
田中 佐織 北海道大学, 大学病院, 講師 (90344522)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 根面う蝕 / 白金ナノコロイド(CPN) / プルラン / ナノテク / バイオアクティブ / MTA / 露髄 / 4META/MMA-TBBレジン |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノテク材料である白金ナノコロイド(CPN)は口腔領域でバイオアクティブな効果があり、根面う蝕牙質のコラーゲンの耐久性の向上に関与することが期待できる。CPNはPAA-PT(白金、ポリアクリル酸、水)、C-PT(白金、クエン酸ナトリウム、水)、C-CYD(白金、クエン酸ナトリウム、γ-シクロデキストリン、水)の3種を用いた。象牙質への微小引張接着試験の結果、3種のCPNを併用すると4META/MMA-TBBレジンの象牙質接着強さが併用しない場合に比べて増加する傾向が認められた。さらにサーマルサイクリング試験を50,000回行った後では、接着強さの低下が抑制され、耐久性の向上が示唆された。また、根面う蝕治療時の偶発的な露髄に対して、歯髄を活性化し象牙質を再生し歯髄を保存するより効果的な露髄面への処理材・覆髄材としてCPN、リン酸化プルラン(PL)、MTAセメント(MTA)についてラット歯髄を用いて検討した。PLにMTAを配合したセメント(MTAPL)、3種のCPNを露髄面に貼付した場合、いずれも早期に硬組織が形成されることが示唆された。MTAPLに関してはMTA、PLと比較すると術後歯髄に出現した炎症反応が術後28日では、炎症が治癒した状態で石灰化組織が形成されている傾向があった。CPNの歯髄に関しては術後1、3日で、3種のCPN、MTAに炎症反応がほとんど観察されないか、あるいは軽度から中等度の反応であった。とくにC-CYDでは術後7日までほとんど炎症反応は認められず、術後3日でMTAと比べて、術後7日でPAA-PT、C-PTに比べて炎症反応は有意に低かった。また、anti-CD34抗体に陽性で示された血管新生がすべてにおいて認められ、C-CYDの術後3日で有意に出現していた。C-CYD とMTAPLは根面う蝕の露髄面に対する処理材・覆髄材として有用であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)