2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of pulp capping material based on the wound healing mechanism of the pulp tissue using bioinformatics
Project/Area Number |
17K11704
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 雄介 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60397693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 卓也 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50508835)
岡本 基岐 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (60755354)
小道 俊吾 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (40804456)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯髄 / 覆髄 / バイオインフォマティクス / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究実施計画に基づき、象牙質・歯髄複合体の創傷治癒を促進するタンパクが歯髄のどの分子と相互作用をもち、効果を発揮するのかを明らかにすることを目的として、歯髄におけるターゲット分子の検索ならびに、そのタンパク由来の機能ペプチドの構造検索を継続しておこなった。 これまで一連の研究においてわれわれが見出した、歯髄の創傷治癒を促進する効果をもつ可能性があるタンパクである、Protein S100A7およびProtein S100A8が歯髄組織中のどの分子と相互作用しているかを検討するために、Pull-down assayにて検討をおこなった。ラット歯髄由来初代培養細胞を超音波にて破砕し細胞内のタンパクを抽出後、それらのタンパクと作用をする可能性のある候補タンパクを添加して共培養をおこない、SDS-PAGEにて観察されたタンパクについて質量分析法(LC-MS/MS)を用いて、ターゲット分子の検索をおこなった。その結果、いくつかのターゲット候補タンパクが得られた。 また、歯髄創傷治癒促進効果をもつ候補タンパクであるProtein S100A7およびProtein S100A8のアミノ酸配列についてアライメント解析をおこない、さらに他のS100ファミリータンパクについても同様にアライメント解析をおこなって、各タンパクに保存されている配列ならびに機能部位である可能性があるペプチド候補を決定し、それらのペプチドを用いたペプチドアレイ法による解析をおこなった。その結果、いくつかのペプチドがヒト歯髄幹細胞のALP活性を上昇させることが明らかとなった。現在ペプチドアレイの結果の検証実験ならびにそれらのペプチドが実際に象牙質・歯髄複合体の創傷治癒を促進するかについてのラットを用いた覆髄実験をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
歯髄創傷治癒促進作用を持つペプチドおよび歯髄におけるターゲット分子の検索をおこなってきたが、平成29年度に実施していた方法を変更したことに伴い、動物実験まではすすめることができず、実験計画の進捗としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、ペプチドアレイ法により得られた歯髄創傷治癒を促進する可能性のあるペプチドを覆髄剤として用いた動物実験を予定している。また、動物実験で良好な結果が得られた場合には、結果が良好であったペプチドを用いてそのメカニズムを解析するためのin vitroの実験も計画している。 さらに、歯髄におけるターゲット分子についても絞り込みを進め、ターゲット分子候補と上記のペプチドが相互作用をするかを検証するため、Pull-down assayを実施予定である。
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