2017 Fiscal Year Research-status Report
バイオガラスを用いた生体高親和性セメント及び再生治療用スキャフォールドの開発
Project/Area Number |
17K11711
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
鷲尾 絢子 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10582786)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Bioactive glass / 根管用シーラー / FGF-2 / セメント芽細胞 / 歯根膜細胞 / 骨芽細胞 / 象牙芽細胞様細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は,最適な組織創傷治癒を誘導する歯科材料と積極的な組織再生を誘導する再生医療材料を開発し,歯髄・根尖性歯周組織疾患に対する次世代型治療法を確立することにある.当該年度では,(Ⅰ)これまでの研究で試作したBioactive glass(BG)配合セメント(NSY-222)の物理的特性,封鎖性,及び除去性が覆髄剤や根管充填シーラーに適しているかを検討することと,(Ⅱ)BG及び線維芽細胞増殖因子(FGF-2)徐放性ゼラチン(FGF2-Gel)が象牙芽細胞様細胞(KN-3細胞),歯根膜細胞(HPDLCs),および骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)に及ぼす複合的影響について検討することを目的とする. (Ⅰ)NSY-222の根管用シーラーとしてJIS規格(稠度,操作時間,硬化時間,被膜厚さ,崩壊率,及びX線造影性)を用いて評価したところ最適な物性を示した.また,色素漏洩試験,電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM),及びエネルギー分散型X線分析法(EDX)で分析したところ良好な封鎖性を示した.その一方で,FE-SEMやEDXを用いた分析により根管内から除去することも可能であることがわかった.また覆髄剤として短時間硬化型NSY-222-Sを作製した. (Ⅱ)BG,FGF-2,あるいは両方で刺激したKN-3細胞の細胞形態変化,細胞生存,を検討するため位相差顕微鏡観察およびトリパン・ブルー染色を行った.無刺激のものと比較すると細胞生存数は増加傾向を示しており,細胞毒性は認められなかった.また,FGF-2で刺激したKN-3細胞の細胞遊走をWound healing assayにて評価したところ,細胞遊走への影響は認められなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画(1)における歯科材料としての適合性の評価,NSY-222による根管封鎖性の評価,および根管からのNSY-222除去性の評価については全て結果がでている.計画(2)におけるBGが各種細胞に及ぼす影響の検討については継続して評価を行っている.したがって,申請した期間内における研究計画は概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
計画(1)においては,in vitroでのNSY-222およびNSY-222-Sの創傷治癒効果の検討を行うとともに,並行してin vivoにおけるNSY-222の根管用シーラーとしての有用性の評価とNSY-222-Sの覆髄剤としての有用性の評価を推進していく. 計画(2)においては,in vitroでの各種細胞に対するBG,FGF2-Gel,あるいは両方の及ぼす影響を継続して解析するとともに,試作しているFGF-2徐放性ゼラチン(FGF2-Gel)を用いた細孔を有するスキャフォールドの材料学的評価を推進していく.
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Research Products
(19 results)