2018 Fiscal Year Research-status Report
レーザー照射による歯髄-血管・神経相互作用へ及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
17K11713
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
増田 宜子 明海大学, 歯学部, 准教授 (10297038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友村 美根子 明海大学, 総合教育センター, 教授 (30217559)
肖 黎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (80548256)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 歯髄細胞 / 血管内皮細胞 / Nd-YAG laser |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット下顎切歯の歯髄細胞を採取しコラゲナーゼ、トリプシン酵素、EDTAによって処理した後シャーレ に播種し37 ℃、5 %CO2にて培養した。培地にはα;-MEM、10%子牛血清を加えたものを用いた。約1週間後にサブコンフルエントに達した。石灰化誘導培地(アスコルビン酸 50μg/ml, βグリセロリン酸 1.5 mM)を添加したものを培地として用いた。ラット血管内皮細胞を購入し専用の培地で培養した。サブコンフルエントに達したら6-well plate に継代した。6-well plateの血管内皮細胞がサブコンフルエントに達したら Nd:YAG レーザーを0.5 W, 100 mJ 5 pulses 15 秒 細胞から3 mm離して照射した。実験計画では30秒にしているが血管内皮細胞へのダメージが大きく死んでしまうため15秒とした。さらに検討が必要である。1時間後に歯髄細胞を血管内皮細胞の上から播いた。コントロールとしてレーザーを照射していない血管内皮細胞に歯髄細胞を播いた。5日、10日、15日、20日後に細胞を採取しRNAを精製した。 real time PCR のためのTGF-beta 1, Osteocalcin, Dsppのプライマーを作成し石灰化に関与している遺伝子の発現を調べた。レーザーの強度によって血管内皮細胞が死んでしまうためどの強度が適当で歯髄細胞に対して象牙芽細胞様細胞への分化を促すのか見当が必要である。再現性の確認のために現在細胞培養並びにレーザー照射の実 験を行っているところである。また、20日後の血管内皮ー歯髄細胞にアルカリフォスファターゼ染色、フォンコッサ染色を行った。レーザー照射の血管内皮細胞ー歯髄細胞の方がアルカリフォスファターゼ活性は高かった。これに関しても再現性の実験を引き続き行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラット血管内皮細胞を米国より購入したが3ヵ月かかり、届いたものがヒト血管内皮細胞であった。再度購入依頼をしラット血管内皮細胞が届き誤りでないか確認したため実験に遅れが生じた。 実験計画ではレーザーを照射した血管内皮細胞をはがし、歯髄細胞と1:3の割合で共培養する予定であったが、レーザー照射により血管内皮細胞へのダメージが大きく検討が必要となったため遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回は血管内皮細胞を播きサブコンフルエントに達したwell の上からレーザーを照射し歯髄細胞をさらにその上に播いた。血管内皮細胞へ照射するレーザーの強度を時間及エネルギー量において検討し歯髄細胞の象牙芽細胞様細胞への分化が最も高くなるレーザー照射強度を検討する。レーザーを照射した血管内皮細胞の部位に歯髄細胞がより付着し分化しているのかを歯髄細胞に特異的な蛋白(Nestin, DSPP, Hsp-25など)の抗体を使用して免疫組織染色にて調べる。 歯髄細胞と血管内皮細胞を3:1で混ぜた共培養においてもレーザー照射による歯髄細胞の石灰化の局在を調べる。レーザー照射部位にてより高い石灰化が認められるかを検討する。 3次元スフェロイド作成ではMatrigel を用いた方法でうまく培養出来なかったため他の方法を検討し同様の実験を行う。
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Causes of Carryover |
血管内皮細胞が誤って米国より送られたため実験に遅れが生じその分試薬などの購入が遅れたため。これより試薬を購入し使用する予定。
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