2018 Fiscal Year Research-status Report
根未完成失活歯に象牙芽細胞活性化因子を併用した血管再生療法の根管壁硬組織再生
Project/Area Number |
17K11720
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
北島 佳代子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (00177841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 恭子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (10434143)
五十嵐 勝 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (90168104)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 歯根未完成歯 / 失活 / 象牙芽細胞活性化因子 / PRP / 血管再生療法 / 根管壁 / 硬組織 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯髄血管再生療法は、歯根未完成無髄歯に対し根管内を消毒後、誘導した新鮮な血餅を利用して根尖組織から新生血管を再生させ、同時に歯髄の再生を期待する歯髄血管再生療法である。これまでの短期的実験では、象牙芽細胞による象牙質の新生は確認されていない。 本実験は、不規則な硬組織形成を防止し、象牙芽細胞による根管壁象牙質の新生を誘導するため、象牙芽細胞活性化因子PRP(多血小板血漿)を応用した根管壁硬組織新生を導く新しい歯髄再生療法を確立し、長期経過例を観察することを目的としている。 本年度は、実験に供するPRPの1実験あたりに必要な量を計算し、その確保につとめるための方法を検討した。予備実験においてラット尻尾からの採血では十分量の全血が確保できず、必要量のPRP確保が困難であった。自己血によるPRP確保を予定していたが、実験系の検討が必要となった。 採取した血液からのPRPとPRP成長因子活性化開始剤の調整については概ね順調に進行した。採血に供したラットから摘出した歯髄の初代培養後、継代培養を繰り返し、細胞数の確保を継続している。ALP活性、Von Kossa陽性細胞株の樹立は現在継続中である。 本実験のコントロールの1系として前年度に行った歯根未完成歯の根管に血餅を満たし、PRPのみを添加した6週齢のEDTA(-)と(+)群、12週齢のEDTA(-)と(+)群の顎骨摘出試料から、脱灰、パラフィン包埋、薄切切片作成、染色標本の作成を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ラットから採血し得る血液量の十分な確保が困難であったことから、他家血の使用と採取した血液の保管可能時間の確認等、予定外の準備が必要となった。 歯髄細胞の数の確保に時間を要し、細胞株樹立を継続中である。 さらに、本学共同の動物実験室の実験数の大幅な増加により、動物飼育ゲージ数の不足が生じ、本実験で使用予定の動物飼育ゲージの確保が困難となり、新たなゲージ導入までの間実験待機をせまられた。 以上のこと等が重なり、現在実験予定が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本実験開始のための改善点とその対策が概ね整ったことから、実験担当者のスケジュール管理を行い、協力が得られ次第、本実験を早急に開始する予定である。 本実験後の追加実験の必要性も考慮し、可及的すみやかな実験の遂行を予定している。
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Causes of Carryover |
実験の基礎となる使用細胞数の確保と十分な自己血採血量の確保が困難であったため、試行錯誤を繰り返し、当初の計画通り本実験を遂行することができず、本年度使用予定額に大きな残余を生じる結果となった。本年度は、それらを改善、克服することができる見込みであるため、本実験を進める予定である。従って、本実験に伴う必要経費が発生する見込みである。
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