2022 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of antimicrobial treatment on biofilm activity and component using caries and periodontitis biofilm model
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17K11721
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
富山 潔 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (90237131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 義晴 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (40247317)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | biofilm / polymicrobial / dentin / caries / antibacterial agent / S-PRG filler / chlorhexidine / fluoride |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病に罹患した場合、かなりの確率で根面齲蝕が発症することも指摘され、歯周病との深い関りも指摘されている。根面齲蝕の発症メカニズムについて、まず凝固菌が酸を産生し、歯根セメント質に含まれる無機質を脱灰するとともに有機質を変性させ、さらに分解菌が変性したタンパク質を分解することにより、板面齲蝕の発生と進行に関与している可能性が報告されている。このように歯冠部齲蝕とは異なる発症メカニズムに基づく歯根面象牙質齲蝕のメカニズム探求や治療薬開発研究は重要である。我々は、Exterkate RAMら(Caries Res, 2010)によるバイオフィルムモデルを用いて、抗菌成分や多機能を有する歯科材料が多菌種入りバイオフィルムに対してどの程度効果的なのかを検討してきた。【S-PRGフィラーからの溶出液】S-PRG溶出液は, 多菌種入りバイオフィルムの生菌数を抑制するだけでなく,pHの下降も持続的に抑制することから,持続性を兼ね備えた抗菌作用を有することが示唆された(Am J Dent 2023;36:91-94)。【S-PRGフィラー含有歯磨剤】SPRGフィラー含有歯磨材による処理を行なうことにより,顕著に象牙質脱灰を抑制することが確認されたことから,本歯磨材が根面齲蝕予防に関して優れた効果を有する可能性が示唆された Am J Dent 2019;32:245 - 250. 【根面齲蝕のメカニズムを検討する研究】口腔内環境に近似した活動性・非活動性齲蝕モデルを作製する一環として、多種細菌から構成されるバイオフィルムモデルを使用して培養期間や糖供給のタイミングによるpH、ならびに細菌叢の変化を観察し、ポリマイクロバイアルバイオフィルムを使用し、培養期間や糖供給のタイミングを変化させることで、pHや細菌叢への応答を確認することが確認できた(Am J dent 2020;33:55-58】。
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