2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of regenerative medicine for bone defect using a combination of phosphatidylserine-containing liposomes and bioactive glass
Project/Area Number |
17K11728
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
阿南 壽 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (80158732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 英津子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (20432924)
畠山 純子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (50374947)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PSリポソーム / 生活活性ガラス / 骨再生療法 / 硬組織形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜リン脂質であるホスファチジルセリンを含有するPSリポソーム(以下PSLと略す)と生体活性ガラス(BAG)を併用することで、効率的な骨再生療法の開発の可能性について検討するため、ラット頭蓋骨骨欠損モデルを用いて実験を行い、X線学的および組織学的に解析した。その結果、実験期間を通して、コントロール群、BAG群およびBAG + PSL添加群の各群間において、ラットの体重変化に著変は認められず、ほぼ同様の増加傾向を示した。X線学的解析では、コントロール群では、処置後8週目まで骨欠損部に硬組織形成像は観察されなかった。 BAG群では、処置後2週目の骨欠損部に硬組織の形成像はほとんど認められなかった。処置後4週目では、BAGを核にして新規の硬組織様石灰化物と思われる不透過像が少数、散在性に認められた。処置後8週目では、骨欠損部にBAGを核にして不透過性の亢進した像が多数認められた。一方、 BAG + PSL添加群では処置後4週目から骨欠損部にBAGを中心にして不透過性の亢進した像が多数認められた。また、処置後8週目においても活発な硬組織形成像が継続して観察された。8週目においてはBAGとPSL併用群とBAG単独群の両群において、窩底部に沿ってBAG粒子を含有した、厚く成熟した骨の形成が認められた。次に、PS リポソームは破骨細胞の形成を抑制し、また根尖性歯周炎の病巣周囲に対しては、骨形成マーカーも発現を促進することが示唆されていることより、まず、骨芽細胞の増殖能に及ぼすPSLの影響について検討した。24穴ディッシュに1×104個の細胞を播種し、翌日PS リポソームで刺激した。これをTime 0とし、その後、1日目、3日目、7日目に細胞数を測定したところ、 PS リポソームは、対照群と同様に細胞増殖を促進することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、①PSリポソームの硬組織形成促進効果の解明につて、骨芽細胞分化マーカーの探索を指標として検索する。実験には、マウス頭蓋骨由来骨芽細胞株MC3T3-E1およびマウス初代培養骨芽細胞を用いる。解析法として、骨芽細胞分化に関連するタンパク質発現について、ウエスタンブロット法を用いて検討する。石灰化については、アリザリンレッドS染色、von Kossa染色を用いて検討する予定であった。しかしながら、研究代表者が業務多忙のため、最終年度の予定していた研究「PSリポソームの硬組織形成促進効果の解明:骨芽細胞文化マーカーの探索」の遂行に遅延が生じたため、2020年度までの補助事業期間の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、①PSリポソームの硬組織形成促進効果の解明につて、骨芽細胞分化マーカーの探索を指標として検索する。実験には、マウス頭蓋骨由来骨芽細胞株MC3T3-E1およびマウス初代培養骨芽細胞を用いる。解析法として、骨芽細胞分化に関連するタンパク質発現について、ウエスタンブロット法を用いて検討する。石灰化については、アリザリンレッドS染色、von Kossa染色を用いて検討する。②根尖性歯周炎モデルを用いた解析として、ラットの下顎第一臼歯遠心根を抜髄、開放することにより、自然感染による根尖病変の成立を計る。術後7日目に、根管内にPSリポソームまたは生理食塩液を貼薬した。その後、3日および7日目に、根尖病変部におけるトランスフォーミング増殖因子(TGF-β1)の発現および骨形成因子であるおよびアルカリホスファターゼ(ALP)の発現について検討する。さらに、マクロファージ、破骨細胞および骨芽細胞の動態について組織化学的に解析する。
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Causes of Carryover |
2019年度は、①PSリポソームの硬組織形成促進効果の解明につて、骨芽細胞分化マーカーの探索を指標として検索する。実験には、マウス頭蓋骨由来骨芽細胞株MC3T3-E1およびマウス初代培養骨芽細胞を用いる。解析法として、骨芽細胞分化に関連するタンパク質発現について、ウエスタンブロット法を用いて検討する。石灰化については、アリザリンレッドS染色、von Kossa染色を用いて検討する予定であった。しかしながら、研究代表者が業務多忙のため、最終年度の予定していた研究「PSリポソームの硬組織形成促進効果の解明:骨芽細胞文化マーカーの探索」の遂行に遅延が生じたため、2020年度までの補助事業期間の延長を申請した。 2020年度は、①PSリポソームの硬組織形成促進効果の解明につて、骨芽細胞分化マーカーの探索を指標として検索する。実験には、マウス頭蓋骨由来骨芽細胞株MC3T3-E1およびマウス初代培養骨芽細胞を用いる。解析法として、骨芽細胞分化に関連するタンパク質発現について、ウエスタンブロット法を用いて検討する。石灰化については、アリザリンレッドS染色、von Kossa染色を用いて検討する。
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