2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔は健康長寿を創るのか?15年間のコホート研究による検証
Project/Area Number |
17K11744
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榎木 香織 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30632145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 謙一 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (80448109)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 健康長寿 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康長寿を達成するためには,咬合や咀嚼機能がきわめて重要な役割を果たしていると推察される.これまでに,残存歯数が全身の健康状態や疾患の罹患,さらに生命予後に影響を及ぼしていることは疫学研究により多数報告されている.しかし,歯科補綴の治療目標である咬合力や咀嚼能率などの客観的な口腔機能と全身の健康との関連を報告した長期縦断的研究はみられない. そこで本研究では,約1000名の高齢者を対象に15 年間のコホート研究を行い,歯や口腔機能,またそれらの変化が,全身の健康状態や疾患の罹患,ならびにQOL に及ぼす影響について明らかにすることを目的としている. 本研究においては,15年前に調査を行った当時の平均年齢約65歳の一般市民約1000名を対象に前回の調査と同様の内容について追跡調査を行う.全身的な調査項目としては,健康状態の自己評価,全身疾患の罹患と服用薬剤,BMIや体脂肪率などの体組成,全身の筋力の指標として握力測定とした.歯科検診によって得る項目は,残存歯数などの口腔の状態,咬合力や咀嚼能率などの口腔機能検査,ならびに口腔関連QOLとした. 平成29年度は,平成14年(ベースライン時)に,歯や義歯の状態を確認し,咬合力,咀嚼能力,唾液分泌速度などを測定し,さらに平成24年にも調査に参加した大阪府老人大学講座の元受講生約308名(ベースライン時の平均年齢65歳)について,追跡調査への参加を呼びかけ,研究参加への同意が得られた者104名について調査を行った. 現在,被験者にフィードバックを行い,データの入力が完了したところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
やや追跡調査への参加者は少ないが、15年経過を追うことは可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成15度に歯や義歯の状態と咬合力,咀嚼能力,唾液分泌速度などを測定し,さらに平成25年にも調査に参加した大阪府老人大学講座の元受講生約300名(ベースライン時の平均年齢65歳)について,平成29年度と同様の検査を行い,収集したデータを分析する.
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Causes of Carryover |
謝金を出す時間が予定より短くなったため、少し余りが出てしまった。次年度の謝金にあてる予定である。
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