2018 Fiscal Year Research-status Report
デジタルデンティストリー時代を見据えた新規支台歯形態の考案
Project/Area Number |
17K11747
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
脇 智典 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (70397785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 隆志 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (20198211)
若林 一道 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (50432547)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | デジタルデンティストリー / 支台歯形態 / 口腔内スキャナー / CAD/CAM |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、審美歯科治療に対する要望の高まりとともに,CAD/CAMを用いたメタルフリーレストレーションが広く行われるようになった。本研究では、今後さらに 普及するデジタルデンティストリーにおけるワークフローを見据え、口腔内スキャナーやCAD/CAMシステムを考慮に入れた新たな支台歯形態を提案することを目的とする。 -8、-4、0、8、12、16、22°の軸面角を有する上顎左側中切歯の支台歯をアクリルレジンを用いて製作した。続いて口腔内スキャナー(Trios、3shape)を用いて支台歯を計測後、CADソフトウェア(multiCAD、KaVoデンタルシステムズジャパン)でクラウンをデザインした。その際、アンダーカット部はソフトウェアー上でブロックアウトを行い、セメントスペースは50μmとした。CADでデザインしたクラウンデータからジルコニア製クラウンをミリングで製作した。そして、シリコーンレプリカテクニックを用いて、切縁部、軸面部、辺縁部の間隙量をを顕微鏡により計測した。 その結果、平均間隙量は-8°で有意に大きくなった。またアンダーカットを有するクラウンでは、アンダーカットを有しないクラウンと比較し、有意に間隙量は大きかった。最も大きな軸面での間隙は-8°で32.2μm、-4°で21.5μmであった。一方で切縁部における間隙量は-8°で14.7μm、-4°で13.4μmと軸面よりも小さかった。 本結果より 、逆テーパーを有する支台歯形成に対して製作したジルコニアクラウンの適合性は臨床的に十分許容できるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、様々な軸面傾斜角を有する支台歯を想定した支台歯モデルをから、実際にジルコニアクラウンを製作し、適合試験を行なった。その結果、逆テーパーを有する支台歯形成において、辺縁部の間隙量はわずかであり、臨床的に許容できる範囲であることがわかり、本研究計画の妥当性が証明できた。以上より、おおむね順調に研究は進展しているもの と考える。次年度では、引っ張り試験に向けた研究を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
新規支台歯形態で製作したクラウンの維持力に関する研究として、歯科用CAD/CAMシステムを用いてジルコニアブロックをミリン グ後、焼成しクラウンを製作する。そして、支台歯とクラウン。セメント合着後および水中浸漬を行った後、引っ張り試験を行う。そして破壊形態、破壊部のSEM 観察、ク ラウンおよび支台歯の破壊の状態について観察を行ない、リバーステーパーを有する支台歯形態についてこれまでの研究結果をもとに、総合的に評価を行う。
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Causes of Carryover |
当初、研究成果の発表を複数の学会で行う予定であったが、学会発表を行わなかったため、旅費の執行額が少なくなった。本年度で得られた成果を、次年度、国内および国際学会で積極的に発表するために使用する。加えて、支台歯およびクラウンの製作が当初より安価に可能であったためと考えられる。次年度は、本結果のフィードバックを行うため、その際のクラウンや支台歯の製作費に充当する。
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Research Products
(2 results)