2018 Fiscal Year Research-status Report
骨質劣化がもたらすインプラント周囲骨リモデリング破綻機序の解明と予防策の考案
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17K11757
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森山 泰子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (50452769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究院, 教授 (50195872)
鮎川 保則 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50304697)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 骨質劣化 / 骨粗鬆症 / インプラント / 骨リモデリング / ターゲットリモデリング / スタチン |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔インプラントは顎骨内に埋入され、顎骨との強固な固定が機能維持において必須であるが、全身疾患による骨質変化に影響されると考えられる。本研究の目的は、全身疾患による顎骨の骨質劣化がもたらすインプラント周囲骨のリモデリング破綻機構の解明とその予防法の確立であり、「インプラント埋入後に骨粗鬆症に罹患する」という、現実には大いにあり得るモデルをラットで構築し、顎骨への影響について、骨量維持に重要である骨リモデリングの観点から検討している。 正常ラットではインプラント埋入後、オッセオインテグレーション獲得を確認後に咬合付与させ機能させると、インプラントスクリュー部位に微小なクラックを生じるが、組織学的にはインプラント周囲の骨は維持されることが明らかになった。そこで、インプラント周囲のマイクロクラックを定量するのは困難なため、周囲骨の免疫学的検討を行い、骨関連因子の増減、関係性を検討している。現在ではマイクロクラックを生じている周囲にはアポトーシス細胞、TRAP陽性細胞が増加することを明らかにしている。このことからマイクロクラックによる骨吸収作用がインプラント周囲に生じている可能性が示唆された。 並行して、インプラント埋入後の骨粗鬆症モデルを作成している。卵巣摘出後のラットは感染等なく経過しており、体重なども過去の報告に相違なく経過している。今後は全身および局所(インプラント周囲)の骨量をマイクロCTおよび組織学的に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、当初計画していた通り、健常動物にインプラントを埋入し機能できたことを確認後に、骨粗鬆症に罹患させる、というモデルラットを作成している。研究2年目であるため、モデルラットに骨粗鬆症薬を応用した場合の影響について検討する予定であったが、研究開始が遅れたため進捗はやや遅れたものになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
モデルラットの作成は時間短縮はできないため、それまでは時間がかかるが、その後の骨粗鬆症薬の影響および脂質異常症治療薬スタチンの骨質への影響に関しては同時進行も可能であるので、人員を増やして進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度実験者の産休もあり、進捗状況が予定より遅延していたが、本年度は滞りなく進んでいる。最終年度に向けて問題なく実験を進めているところである。
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