2017 Fiscal Year Research-status Report
インプラント体周囲組織再生部のin situ bacteriologyの融合
Project/Area Number |
17K11759
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤島 慶 鹿児島大学, 医歯学域 歯学系, 助教 (50553153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
石井 正和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00456683)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗菌性ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント体埋入後の埋入周囲組織の良好な治癒は,インプラント体の長期生存において必要不可欠である.インプラント体埋入後の良好な周囲組織の治癒には,創傷治癒部位への血流供給,および細菌感染の抑制が必要である。近年,細菌感作時に生体側より産生される抗菌性ペプチドが抗菌作用以外に,ケモカイン様の作用や血管新生作用を示すことが報告されている.しかし抗菌性ペプチドの組織再生への効果については不明である.そこで本研究は抗菌性ペプチドの創傷治癒部位における有効性についての基礎データを蓄積し,最終的には抗菌性ペプチドを用いたインプラント体周囲組織再生療法の確立を目指すものである. 抗菌性ペプチドを用いたインプラント体周囲組織再生療法の確立を目指し,当該年度において,創傷治癒部位を想定したin vitroにおける抗菌性ペプチドの有効性検証を行った.具体的には,購入可能な抗菌性ペプチドを用い,口腔内細菌細菌および真菌に対する抗菌,抗真菌作用について,また組織の創傷治癒部位に不可欠な細胞遊走能についての評価を行った.その結果,用いた抗菌性ペプチドにおいて,う蝕原生菌の一つであるStreptococcus mutansに対して抗菌作用を示し,また誤嚥性肺炎の起因菌の一つであり,常在菌のCandida albicansに対しても抗真菌作用を示した.また,transwell chamberを用いた細胞遊走能評価においては,ヒト臍帯静脈内皮細胞の抗菌性ペプチド作用時の遊走を確認した. 今後は,ヒト臍帯静脈内皮細胞の抗菌性ペプチド作用時の管腔形成能,抗菌性ペプチドの歯肉線維芽細胞への影響能について検証を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究申請書よりも若干の研究進度の遅れをとった大きな要因として,抗菌性ペプチドの各検証における作用濃度の特定に時間を要したことが挙げられる.しかし,現段階において各抗菌性ペプチドの各検証時の試適濃度が明らかになったため,以後の検証はさらに効率よく進めることができると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の検証により,各抗菌性ペプチドの各検証における作用試適濃度が明らかとなった.今後は申請書に記載した,in vitroにおける全ての検証において有効性を示す抗菌性ペプチドの試適濃度を特定する予定である.さらに,in vitroにおける試適濃度を参考にして,in vivoにおける抗菌性ペプチドの有効性についても合わせて検証を推進する予定である.
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Causes of Carryover |
当該年度は,抗菌性ペプチドの試適濃度の探索に主な検証労力を割いたため,予定したよりも予算を消費しきれなかったことが次年度使用額の生じた理由と考えられる.次年度より効率的な検証を遂行し,かつ得られた検証結果をもとに学会発表や論文投稿費用などに積極的に予算を充てたいと考えている.
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