2017 Fiscal Year Research-status Report
Webカメラとコンピュータのみで構成した簡易的な下顎運動測定システムの開発
Project/Area Number |
17K11787
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
横山 正起 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (60312071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 博 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50226114)
丸山 智章 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (00455114)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スポーツ用カメラ / 下顎運動記録装置 / 咀嚼運動経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
市販の下顎運動記録装置は、未だ高価で臨床の場で広く用いられているとは言い難い。本研究の目的は、モーションキャプチャーシステムを応用し、スポーツ用カメラとコンピュータのみの構成による咀嚼運動測定装置を開発、評価することである。 20代の健常被験者5名の下顎切歯点と前額部の3点に付けた標点の動きを2次元スポーツ用カメラで記録した。次いで、測定画像の歪み補正フィルタの作成、咀嚼運動の速さや動きに特化した標点追跡アルゴリズムの作成、ストローク判別アルゴリズムの作成を行い、被験者の下顎切歯点の運動を抽出した。下顎切歯点にLEDを追加し、市販の下顎運動記録装置MVT(Motion visi-trainer)を被験者に装着し、咀嚼運動を新たに開発した咀嚼運動測定装置と同時記録後、両測定装置による咀嚼運動経路を定性的に比較した。 被験者の下顎切歯点と前額部の3点の動きを2次元スポーツ用カメラで記録することができた。また、測定画像の歪み補正フィルタ、標点追跡アルゴリズム、ストローク判別アルゴリズムの作成を行い、被験者の下顎切歯点の運動を抽出できた。さらに、新たに開発した咀嚼運動測定装置による咀嚼運動経路は、市販の下顎運動記録装置による咀嚼運動経路と近似していた。これらのことから、新たに開発したスポーツ用カメラを用いた咀嚼運動測定装置は臨床応用できる可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
標点追跡アルゴリズムにより算出した標点の位置座標データには、下顎の運動だけではなく頭部や体幹の揺れなども反映される必要があるが、前額部の2点、頬骨弓部の2点の計4点の標点により基準座標系を構築し、頭部や体幹の揺れをキャンセルできるアルゴリズムの開発(プログラムⅠ)に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度:抽出した下顎運動データから、咀嚼運動経路や咀嚼運動リズムの安定性の定量的指標が表示できるシステム(プログラムⅡ)を開発する。 平成31年度:本研究で開発した測定システムで記録、解析した運動データとMKG K-6I、6自由度下顎運動記録装置で記録、解析した運動データとを比較し、本研究のシステムの臨床的な有効性について検討する。
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Causes of Carryover |
標点追跡アルゴリズムにより算出した標点の位置座標データには、下顎の運動だけではなく頭部や体幹の揺れなども反映される必要があるが、前額部の2点、頬骨弓部の2点の計4点の標点により基準座標系を構築し、頭部や体幹の揺れをキャンセルできるアルゴリズムの開発(プログラムⅠ)に時間がかかったため次年度使用額が生じた。 平成30年度3月に開発が終わり、5月にプログラムIの支払を行った。
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Research Products
(1 results)