2017 Fiscal Year Research-status Report
アパタイト光触媒配合歯磨剤を用いたホワイトニングシステムの構築
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17K11789
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 教授 (00152877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 健一 朝日大学, 歯学部, 教授 (80165175)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光触媒 / ハイドロキシアパタイト / 歯磨剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
[研究目的]: 開発したアパタイト光触媒の歯磨剤への応用可能性について, アパタイト光触媒配合歯磨剤を試作し, 着色モデル(アパタイト焼結体)を用いて, LED光照射下での漂白効果について検討した. [材料と方法]: 1.アパタイト光触媒の調整:アパタイト光触媒としてHAP-Yb(可視光応答型)を使用した.アパタイト光触媒は1,400℃, 1時間大気雰囲気下で加熱合成した. 2.着色モデルの作製:HAP焼結体をMB水溶液中に浸漬して着色した焼結体(着色モデル)を作製した. 3.アパタイト光触媒配合歯磨剤の試作:歯磨剤ペーストに光触媒粉末を加えて配合量の異なる3種類の歯磨剤(10,20,30wt%光触媒配合)を試作し,漂白効果に対する配合量の影響について検討した.4.LED光照射下での音波振動ブラシによるブラッシング:歯磨剤ペーストを着色モデル表面に適量塗布後、LED光照射下でブラッシングを行った. 音波振動のみで2分間ブラッシングし,30回行って毎回測色した.漂白効果に対するブラッシング回数の影響について検討した.5.測色と統計処理:測色は簡易測色計で行った. CIE 1976 Lab表色系を用い, 漂白の程度は, 色差とL*, a*, b*値で評価した.有意差検定は一元配置分散分析と多重比較検定により行った. [結果と考察]: 30回のブラッシング後の色差では, コントロール, 10wt%配合歯磨剤, 20wt%配合歯磨剤および30wt%配合歯磨剤との間にそれぞれ有意差(p<0.05)がみられ, アパタイト光触媒の配合量が多い歯磨剤ほど, 漂白効果は大きいことがわかった. また, ブラッシング回数が多いほど, L*値と色差は増加した. これらの結果から, アパタイト光触媒配合歯磨剤は, 光照射下のブラッシングで, 着色モデルに対して漂白効果を示すことがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、研究計画通り順調に進み、優れた研究結果も伴った。光触媒配合歯磨剤の漂白効果が、予想通りで、満足する結果が得られた。研究する時間を長めにおいて進めて行った分、多くのデータが得られ、詳細な結果がわかった。今年度は、研究実施計画に従って、実験を進め、研究結果を総合的に判断して、順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画通り、LED内蔵歯ブラシの試作と光触媒配合歯磨剤の改良に向けて、検討していくつもりである。特に、LED内蔵歯ブラシは、コンパクト化を図り、歯磨剤では、漂白効果の高い歯磨剤の組成について詳細に検討するつもりである。
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