2019 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼筋活動によるAMPキナーゼの活性化はインプラントの骨結合を強化する
Project/Area Number |
17K11792
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
城戸 寛史 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (90169897)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | AMPキナーゼ / 咀嚼筋活動 / インプラント / オッセオインテグレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
運動が糖尿病や骨粗鬆症の予防や治療に効果があることはよく知られている.また,咀嚼機能の回復が全身の健康状態を改善することは日常の歯科診療でよく経験される.これらの効果には多くの因子が関与していると考えられるが,本研究では咀嚼筋活動によるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化に注目し、歯科インプラントのオッセオインテグレーションにおよぼす影響を評価することを目的とする. 前年度までにラット上顎骨および脛骨への埋入を考慮して実験用チタンコーティングプラスチックインプラントを製作した。製作および観察を容易にするため,スレッド構造は省略した.円柱形態のシリンダータイプに加えて,初期固定を向上させるため軸面にテーパーを与えた形態を追加採用した.スパッタリングには表面構造制御装置を用いた.コーティング層の厚さ,組成,組織内での変化を電子 顕微鏡およびX線マイクロアナライザー等で評価した.スパッタリング装置が不調でコーティングが不均一であったが、予備実験として、ラットの上顎臼歯を抜歯し,2カ月の 治癒期間を置き,抜歯窩の治癒後,上顎骨の歯の欠損部に顎骨用に製作したチタンコーティングプラスチックインプラントを埋入した.インプラント体に荷重が 加わらないように埋入深さは僅かに骨縁下とした.また,脛骨用に製作したチタンコーティングプラスチックインプラントを左右脛骨に埋入した.ラットは,通常食を与える群(咀嚼群)とほとんど咀嚼の必要のない軟食を与える群(軟食群)に分け,それぞれ10匹ずつ実験を行った.1週後,3週後,6週後,顎骨の 観察試料を採取した.その結果、チタンコーティングの不均一な厚さの影響で、インプラント-組織界面の観察が困難であった。コーティング法の改良または金属インプラントの使用等を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本計画では、チタン薄膜コーティングの実験用プラスチックインプラントを動物実験に使用する。この実験用インプラントの製作技術は確立しており、これまでにも他の研究で使用した経験があったが、薄膜を蒸着するためのスパッタリング装置(多元スパッタリング装置:アネルバ製L-332S FHS)が不調で、均一な薄膜コーティングの蒸着に予想外に時間を要した。代案として金属インプラントを利用した実験系およびチタン板上で培養された骨芽細胞による評価を検討中である。そのため実験計画に遅れを生じたので事業期間を延長を申請し受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
スパッタリング法によるチタンコーティングインプラントの製作を再度試みる。うまくゆかない場合は、目的達成のためにチタン製インプラントやチタン板上の骨芽細胞の培養による評価を行い、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化に注目し、歯科インプラントのオッセオインテグレーションにおよぼす影響を評価する.
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Causes of Carryover |
スパッタリング機器不調のため、実験の遂行に遅れがでたため、研究期間の延長を申請して受理された。今後、残りの研究計画を遂行するにあたって、必要機材を購入するために次年度使用額が生じた。
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