2017 Fiscal Year Research-status Report
Applied research of a high cellular affinity RGD motif rich recombinant peptide as the bone regeneration material
Project/Area Number |
17K11801
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10242439)
川瀬 知之 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90191999)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / 骨再生 / 歯学 / 細胞培養 / 骨膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
A)培養細胞へのリコンビナントRGDペプチド(FBG)の増殖・分化促進作用の検証 リコンビナントRGDペプチドコーティング-シャーレ上での培養による培養骨膜細胞の接着、骨芽細胞分化誘導効果を解析した。 方法:患者から骨膜を採取し培養シャーレ上で3種類の培地=M199+10%FBS(現在ヒトの歯槽骨再生に実施しているもの)、MSC-PCM(培養骨膜用新型培地)+2%多血小板フィブリン抽出液(PRF)およびMSC-PCM+4%FBSの各培地を用いた培養法による比較を行った。培養は28日間実施し、製造された培養骨膜シートについて、長径、形態、を観察した。 結果と考察:①FBGのコーテイングによって培養細胞の増殖は促進される傾向を示し、培養された骨膜シートの長径は増大した。この効果は現行のM199+10%FBSによる培養系で最も顕著であったものの、2%PRFおよびMSC-PCM+4%FBSの各培地を用いた培養法では明らかな差は見出されなかった。細胞シートに生ずる剥がれ現象はいずれの培養条件でも起きなかった。FBGコーティングによるもう一つの特徴はシャーレー上に複数のコロニーが形成される現象がいずれの培地条件においても共通にみられた。これは培地中に遊離浮遊した細胞が再度シャーレー上に定着し増殖する所見と考えられた。 ②FBGコーティングシャーレー上の培養によって骨膜細胞の骨分化傾向に明らかな促進所見は見いだされなかった。ただしこれはアリザリンレッドSおよびアルカリフォスファターゼ染色の傾向であり定量的結果ではない。骨分化には様々な段階がありそれに応じたマーカーもあるので、さらに詳細の分析が必要である。③MSC-PCM(培養骨膜用新型培地)が骨膜培養に有用であり、かつ動物由来成分の使用を回避できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定したリコンビナントRGDペプチド(FBG)の増殖・分化促進作用の検証ならびに骨膜シート培養を効果的にする専用培地MSC-PCM培地の開発を複数の企業の協力を得て実施した。 ①従来のM199+10%FBSによる骨膜細胞シートの製造は6週間という長期の培養を必要とすることに加え、10%FBSを使用するために生物由来材料の使用に伴うリスクを回避できないことと、高価な医療用FBSを10%で使用するためにコスト的な問題があった。協力企業(コージンバイオ株式会社)が開発したMSC-PCM(骨膜培養専用培地)は2%PRF抽出液と4%FBS添加の条件で同様に従来法のM199+10%FBSと比較して優れた細胞増殖効果を示した。さらに培養期間を4週間に短縮すると同時に、従来法のM199+10%FBSによる6週間の培養よりも大きな細胞シートの作成が可能であり、時間短縮と細胞数の増加を可能にしている。本研究課題の目的である新型培地の使用方法について多くの示唆を与えるデータが得られている。 ②FBGの培養シャーレーのコーティングが細胞の増殖を促進する作用を有することが示唆された。特に従来法のM199+10%FBS培地条件では効果がより鮮明に確認された。一方のMSC-PCM新型培地の条件ではその効果は比較的不鮮明であり、FBGコーティングは必ずしも必要でないことが示された。今後の培養骨膜細胞による骨再生細胞療法の開発の方向性について、有意義な示唆を与える結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
①FBGの培養シャーレコーティングが一定の細胞装飾効果を示し、効率的な培養骨膜細胞の製造を可能にすることを示唆したものの、MSC-PCM新型培地の使用により特別な材料の使用をしなくとも効率的に培養骨膜細胞を製造できることが示唆された。この結果から、2018年度においても引き続きより細かなデータの蓄積を継続して行うが、FBGの材料としての開発の方向性を培養系での作用から、移植された細胞への効果に重点を移し今後の開発を進めることを検討する。 ②MSC-PCM新型培地の効果が示さられことから、2018年度の培養系での研究開発の重点を培地条件に移し、この培地を用いた、PRF抽出液およびFBSによつ効果の比較とともに最適条件を決定する。これについては2017年度中にすでに着手している。
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Causes of Carryover |
今年度の実験に用いたFBGおよび培地は共同研究を実施している企業からの供与を受けることができたため、実験の経費の大きな部分の経費を消費する必要がなかったことが予想以上に経費がかからなかった原因と考えている。 2018年度以降は培養系の実験の継続とともに、新たな分析の追加、それに用いる機器の購入、実験動物や飼育費などの負担、研究成果の出版などが必要になり、期間全体の必要経費に配慮しながら研究費執行を行うことを計画している。
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Research Products
(1 results)