2018 Fiscal Year Research-status Report
オッセオインテグレーションを構成するコンドロイチン4硫酸の機能解析
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17K11802
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土屋 周平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20569785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 健介 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (00283408)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オッセオインテグレーション / コンドロイチン4硫酸 / 骨芽細胞 / 歯科インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト骨芽細胞様細胞株であるMG63にC4ST-1小ヘアピンRNAを遺伝子導入し、遺伝子発現を低下させた。チタン板で骨芽細胞を培養する期間が2週間以上必要であることから安定発現細胞株を作製するために、シングルセルクローニングをした。その結果、培養2週間以上にわたり、C4ST-1の発現を約20%低下した細胞を作製することができた。 上記の細胞を二酸化チタン板上で培養することで、C4ST-1が骨芽細胞様細胞に与える影響を解析した。骨形成関連遺伝子解析の結果、C4ST-1はI型コラーゲン、Runx2の発現を優位に上昇させた。また、細胞接着因子であるvinculinを細胞蛍光免疫染色で解析したところ、C4ST-1は影響を与えないことが明らかになった。これらの結果から、コンドロイチン4硫酸はチタン板上の骨芽細胞様細胞の骨形成関連遺伝子を上昇するが、細胞接着には影響を与えないことが明らかになった。また、C4ST-1をノックダウンした骨芽細胞様細胞はコンドロイチン4硫酸の発現が低下していなかった。また、C4STファミリーであるC4ST-2、-3の遺伝子は、発現が維持されていた。これらの結果から、オッセオインテグレーション獲得のためには、複数の糖転移酵素がかかわっていることが示唆された。 今後は、チタンと骨芽細胞様細胞の間にあるプロテオグリカン層を透過型電子顕微鏡でいわゆるアモルファスレイヤーを組織学的に解析する。また、C4ST-1がチタン板上の骨芽細胞様細胞の石灰化、細胞増殖に与える影響を明らかにする。いままでの解析に使った細胞は骨芽細胞様細胞株であるが、骨肉腫由来であるため間葉系幹細胞の細胞株であるUE7T-13を使って同様の解析をする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度から平成30年度にかけて骨芽細胞様細胞に小ヘアピンC4ST-1遺伝子を導入することに時間がかかった。しかし、安定遺伝子発現株を作製したのちには順調に進捗が進んでおり、1年間の遅れを取り戻した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、骨肉腫由来の骨芽細胞様細胞を使用しているが、今後は骨髄由来間葉系幹細胞の細胞株を使うことにより、さらに生体に類似した状態で実験をする。また、糖転移酵素もセリンに直接結合するものにターゲットを絞って実験をする。
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Causes of Carryover |
実験の条件検討が少なく済んだため、消耗品購入費が当初よりも少なくなった。また、新規細胞株の購入、共通機器使用料にあてる。
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