2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of chondroitin sulfate consists of osseointegratoin
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17K11802
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土屋 周平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20569785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 健介 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (00283408)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オッセオインテグレーション / 骨髄由来間葉系幹細胞 / コンドロイチン4硫酸 / プロテオグリカン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では遺伝子サイレンシング法でChondroitin 4-O-Sulfotransferase 1(C4ST-1)遺伝子発現を抑制したヒト骨髄由来間葉系幹細胞(sh-BMSCs)を作成し、チタン板上で培養した。 sh-BMSCsは幹細胞の特徴があり、軟骨細胞、骨芽細胞、脂肪細胞への分化能があった。sh-BMSCsをチタン板上で1週間、2週間培養したところ、対照群と比較して細胞増殖能、骨形成関連遺伝子発現、石灰化能、アルカリフォスファターゼ活性を変化しなかった。sh-BMSCsを2週間培養し、チタンとBMSCsの間に介在しているプロテオグリカン層を透過型電子顕微鏡で観察したところ、その面積が減少した。骨髄由来間葉系細胞は免疫寛容能があることが知られている。チタン板で培養したsh-BMSCsのIDOおよびIL-6の遺伝子発現がBMSCsと比較して低下した。また、チタン板で培養したsh-BMSCsが分泌する成長因子はマクロファージを炎症型のM1マクロファージの遺伝子発現を低下させ、組織修復作用を有するM2型マクロファージの遺伝子発現を上昇させた。以上の結果から、C4ST-1によって形成された骨とチタン製インプラント間にあるプロテオグリカン層は、骨形成能には大きな影響を与えず、チタン周囲の間葉系幹細胞およびマクロファージの免疫寛容能を上昇することが明らかになった。 本研究の意義は、チタン上に形成されるプロテオグリカン層の機能の1つを明らかにしたことである。これは、歯科インプラント学の最重要事項であるオッセオインテグレーションの基本原理の一部を解明することができた。 本研究の重要性は、生体材料の周囲で引き起こされている生物学的な反応を明らかにすることによって、チタンのみではなく、臨床で使われてい生体材料の安全性および効能効果の評価項目に応用することができる。
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