2019 Fiscal Year Research-status Report
母床骨の改善を目指したスタチン徐放型インプラントの創製
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17K11809
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
武本 真治 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70366178)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | チタン / インプラント周囲炎 / 薬剤固定 / 表面処理 / 薬剤徐放 / 骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科臨床でチタンやチタン合金は歯科用インプラント体として多く用いられている。この歯科用インプラント体を植立する際に母床骨が不足している場合、術前にその母床骨を改善する必要がある。また、インプラント体を植立後にもインプラント周囲炎のような炎症が生じ、その周囲の骨吸収が起こった際にも、インプラントの機能を維持するために周囲骨を改善すること必要となる。インプラント周囲の骨量を改善する試みとして、インプラント埋入以前であれば骨補填材や骨移植などのほか、インプラント周囲への薬剤の局所投与が検討されている。 これまでの研究でスタチン系薬剤は骨形成を促進する可能性が報告されている。本研究では、このスタチン系薬剤をチタン表面に固定する方法を検討するとともに、その薬剤徐放を制御することでインプラント体の周囲骨の改善を試みること目的とする。本報告では、チタンにスタチン系薬剤を固定するための表面処理を行い、そのスタチンの徐放特性について検討した。 溶液中へのフルバスタチンの徐放量を蛍光分析で調べたところ、ゼラチンを介さないフルバスタチンではほとんどフルバスタチンの固定および溶液中での徐放が確認できなかった。一方、ゼラチン/フルバスタチン複合体を固定したチタンでは、溶液に浸漬して30分~24時間での徐放量が多いが、その後の徐放量は少なかった。アルカリ処理したチタン表面でのゼラチン/フルバスタチンの徐放量は、研磨のみの試料に固定したものより徐放量は多く、アルカリによりドーパミンの結合が促進され、それによりゼラチン/フルバスタチン固定量が増加したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
薬剤徐放までの結果はすべて整ったが、ラットへの埋入、その後の組織染色が遅れている。炎症の有無、骨形成についての結果が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ラットからの摘出はすべて終了し、染色の一部も終わっている。結果の集約を行う。
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Causes of Carryover |
動物実験の進行が遅れ、組織染色用試薬の購入が遅れた。前期中には使用予定しているが、COVID-19でやや遅れている。年内にはデータをまとめる。
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Research Products
(14 results)