2019 Fiscal Year Research-status Report
新規マーカー解析による前駆細胞の機能に着目した歯髄再生メカニズムの解明
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17K11812
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小林 朋子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (10548283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 優則 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50130688)
筒井 健夫 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (70366764)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 多分化能 / マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、昨年度から行っている歯髄細胞のマーカー候補遺伝子の探索を継続した。幹細胞マーカー9種類、前駆細胞マーカー5種類の計14種類のマーカー候補遺伝子の中からさらに有用な遺伝子の絞り込むため、昨年度までに、歯髄細胞の石灰化分化誘導前後による比較実験と、継代数の違いによる比較実験を行った。その結果、石灰化分化誘導前後の比較実験からは、幹細胞マーカー候補遺伝子のうち4種類と前駆細胞マーカー候補遺伝子のうち1種類が有用なマーカー候補遺伝子として絞り込まれた。また、継代数の違いによる比較実験からは、前駆細胞マーカー候補遺伝子のうち3種類が有用なマーカー候補遺伝子として絞り込まれた。 当該年度は、有用なマーカー候補遺伝子をさらに絞り込むため、間葉系幹細胞マーカーの1つであるCD146を結合した磁気ビーズ、あるいはセルソーターで分離した歯髄細胞におけるマーカー候補遺伝子の発現をqRT-PCRで解析しており、現在も実験を継続中である。 なお、これまでの成果をまとめて投稿した論文が、2020年3月に出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年12月に研究代表者の所属部署が異動となり、研究環境を整え直す必要があったため、当初計画の遅延が生じた。 また、研究結果をまとめ、論文を執筆・投稿する作業を行っていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
間葉系幹細胞マーカーの一つとされているCD146を用いて、磁気細胞分離法(MACS)あるいはセルソーティング法を用いてCD146陽性細胞分画とCD146陰性細胞分画を分取する。これまでの研究成果より得た幹細胞マーカー9種類、前駆細胞マーカー5種類の候補遺伝子について、それぞれの歯髄細胞分画における発現をqRT-PCRにて解析する実験を継続する。 歯髄細胞の石灰化分化誘導前後の比較実験、継代数の違いによる比較実験、CD146発現の違いによる比較実験の結果から、最も有用と考えられる歯髄幹細胞マーカー候補遺伝子と前駆細胞マーカー候補遺伝子を絞り込む。次にMACSあるいはセルソーティング法を用いて、マーカー候補遺伝子陽性細胞分画と陰性細胞分画に分離し、それぞれの分化能、増殖能、secretomeなどの特性を解析する。さらに、マーカー候補遺伝子陽性細胞分画と陰性細胞分画それぞれの、単独培養と共培養の条件における分化誘導効率の違いを検討する。
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Causes of Carryover |
2018年度の研究代表者の所属部署の変更に伴い、申請当初には予期できなかった業務に長時間従事することと、新たに研究環境を整える必要が生じたため、研究計画に遅れが生じている。 また次年度は、細胞培養上清のsecretome解析を行う予定であり、その解析に充てるため、次年度に研究費用を繰り越させていただいた。
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