2017 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマー病三次元病態モデルの構築とヒト歯髄幹細胞を用いた新規治療法の開発
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17K11813
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
肖 黎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (80548256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 周子 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (90281435)
岡村 尚 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (80795154)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経細胞新生 / 海馬組織 / ヒト歯髄由来幹細胞 / 中枢神経再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒト歯髄由来幹細胞(DPSCs)の神経分化能を確認した上で、in vitroにおける成体マウス海馬培養組織の神経細胞新生に対しDPSCsが促進効果を持つ可能性を調べた。【方法】3週齢のマウスより海馬組織を取り出し、海馬スライスを作製した後、三次元条件下でDPSCsとの共培養を行い、培養海馬スライスにおける神経細胞の新生を免疫染色法等で同定した。【結果と考察】神経分化誘導開始3週間後、分子イメージング法およびパッチクランプ法で調べたところ、DPSCsではGFAP, O4, Tubulinβ-3等の神経系細胞マーカーが発現し、電気刺激時に膜電位の変化(脱分極)が観察された。DPSCsと共培養したマウス海馬スライスCA1領域と辺縁部には神経細胞の新生が免疫染色法で観察され、共培養海馬スライスでは細胞の生存率が有意に高いことがPresto blue法で確認された。また、共培養のDPSCsにおいては、神経栄養因子であるBDNFの発現が観察された。これらの結果により、DPSCsは直接神経細胞に分化するだけでなく、神経栄養因子の分泌により内因性神経組織の新生も促進する可能性が示唆された。 論文2報を国際誌に掲載された。 1.Xiao L, et al. Human Dental Pulp Cells Differentiate toward Neuronal Cells and Promote Neuroregeneration in Adult Organotypic Hippocampal Slices In Vitro. Int J Mol Sci. 2017 Aug 11;18(8). pii: E1745. 2. Xiao L, et al. J. Vis. Exp. (134), e57157, doi:10.3791/57157 (2018)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.in vitroにおける成体マウス海馬スライスの長期培養法を発明し、中枢神経疾患病態モデルの構築に導く。 2.ヒト歯髄由来幹細胞(DPSCs)の神経細胞新生促進作用を確認した。 3.培養海馬スライスにおける神経細胞新生を評価するシステムを構築し、神経新生/再生促進効果がある物質および方法をスクリーニングすることが可能になる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、マウス海馬組織とマクロファージの共培養系を構築し、炎症因子、酸化物質の投与により炎症反応と酸化ストレスといった微小環境の変化を惹起し、Aβ、タウ蛋白質の沈着、神経細胞の機能喪失、死亡等の病理変化を再現するアルツハイマー病三次元病態モデルを開発するとともに、アルツハイマー病に対するヒト歯髄由来幹細胞(DPSCs)および漢方薬の人参養栄湯、酸棗仁湯等の改善効果を確認する。
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Causes of Carryover |
理由:H29年度極力に節約して研究を行ったため、90,000円の余額ができた。 使用計画:H30年度の実験試薬購入および論文投稿等に使う。
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Research Products
(2 results)