2018 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマー病三次元病態モデルの構築とヒト歯髄幹細胞を用いた新規治療法の開発
Project/Area Number |
17K11813
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
肖 黎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (80548256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 周子 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (90281435)
岡村 尚 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (80795154)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 酸化ストレス耐性 / ヒト乳歯歯髄細胞 / 培養脳スライス / 神経再生 / 神経保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は酸化ストレスによる中枢神経系の傷害を保護する方法を開発することである。今年度は世界初で酸化ストレス耐性ヒト乳歯歯髄細胞(OST-SHED)の作製に成功した。このOST-SHEDは通常なヒト乳歯歯髄細胞(SHED)と比べて、生存率が低いものの、通常SHEDより多い神経栄養因子BDNFとIL-6を分泌することがELISA法で明らかになった。三次元条件下で3週齢のマウス脳スライスと共培養したところ、OST-SHEDと通常SHEDの両方とも過酸化水素による脳スライス中の神経細胞死を抑制し、酸化ストレスによるDNA損傷を軽減し、神経細胞の新生を促進する効果があるが、OST-SHEDの方が通常SHEDよりそれらの効果が有意に高かったことが分かった。本研究の結果により、OST-SHEDは新しい神経保護神経再生法に応用する可能性が示唆された。 論文3報を国際誌に掲載された。 1.Xiao L, et al. Human Dental Pulp Cells Differentiate toward Neuronal Cells and Promote Neuroregeneration in Adult Organotypic Hippocampal Slices In Vitro. Int J Mol Sci. 2017 Aug 11;18(8). pii: E1745. 2. Xiao L, et al. J. Vis. Exp. (134), e57157, doi:10.3791/57157 (2018) 3. Xiao L, Saiki C, Okamura H. Oxidative Stress-Tolerant Stem Cells from Human Exfoliated Deciduous Teeth Decrease Hydrogen Peroxide-Induced Damage in Organotypic Brain Slice Cultures from Adult Mice. Int J Mol Sci. 2019 Apr15;20(8). pii: E1858.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.世界初で酸化ストレス耐性のヒト乳歯歯髄細胞(OST-SHED)の作製に成功した。 2.OST-SHEDは通常SHED以上の神経保護、神経細胞新生促進作用を確認した。 3.培養脳スライスにおける神経細胞新生、神経保護作用を評価するシステムを構築し、神経新生/再生促進効果がある物質および方法をスクリーニングすることが可能になる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、成体マウス脳スライスを用いて、過酸化水素等の酸化物質の投与により炎症反応と酸化ストレスといった微小環境の変化を惹起し、Aβ、タウ蛋白質のクリアランス低下、神経細胞の機能喪失、死亡等の病理変化を再現するアルツハイマー病三次元病態モデルを開発するとともに、アルツハイマー病に対する酸化ストレス耐性ヒト乳歯歯髄細胞および漢方薬の人参養栄湯、酸棗仁湯等の改善効果を確認する。
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Causes of Carryover |
理由:2018年度極力に節約して研究を行ったため、2,242円の余額ができた。 使用計画:2019年度の実験試薬購入に使う。
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