2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel treatment for oral mucositis focused on specific immune system in cancer stroma
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17K11824
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
久保田 耕世 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10529689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 朋穂 弘前大学, 医学研究科, 助教 (30344592)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔粘膜炎 / がん関連線維芽細胞 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は研究計画に従い、口腔癌由来がん関連線維芽細胞モデルを用いて、研究を行った。前年度の解析の結果、歯肉線維芽細胞と口腔癌由来がん関連線維芽細胞モデルを比較すると、がん関連線維芽細胞は特異的な免疫機序を有していることが分かったため、さらに腫瘍免疫関連の解析を行った。その結果、腫瘍細胞がT細胞の活性を低下させるをPD-L1(programmed cell death-1)のmRNA発現が口腔癌細胞よりも口腔癌細胞から誘導されたがん関連線維芽細胞のほうが優位に高発現していることがわかった。また、腫瘍細胞がNK細胞と細胞障害性T細胞を活性化するMICA(クラスⅠ鎖関連タンパク質A)のmRNAも同様に口腔癌細胞よりもがん関連線維芽細胞で優位に高発現していることがわかった。また、MMP-1(matrix metalloproteinase 1)も歯肉線維芽細胞と比較し、がん関連線維芽細胞で高発現していることが分かった。昨年の研究結果より、がん関連線維芽細胞ではCOX-2,VEGF(血管内皮細胞増殖因子)が歯肉線維芽細胞と比較し高発現していることから、以上の結果を踏まえるとがん関連線維芽細胞はがん細胞と比較し、癌の浸潤・転移に関わる腫瘍免疫において重要な役割を担っていることが推察された。口腔癌由来のがん関連線維芽細胞モデルをもちいて、口腔粘膜炎における初期免疫応答能における役割のみならず、腫瘍浸潤・転移についても今後の研究で行っていきたいと考えており、平成31年度も研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腫瘍免疫学的な研究は進められたが、口腔粘膜炎に関する研究が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、研究を進める予定である。平成30年度の研究結果に加え、口腔粘膜炎に関する基礎的研究の側面も進めていきたい。
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Causes of Carryover |
研究費を厳密に調整の上、執行していたため、次年度使用額が生じた。次年度の物品費や研究成果報告のための旅費に使用する予定である。
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