2017 Fiscal Year Research-status Report
メタボローム解析を用いたARONJに対する新規LED治療の開発
Project/Area Number |
17K11835
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 泰明 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10397812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古森 孝英 神戸大学, 医学研究科, 教授 (50251294)
明石 昌也 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40597168)
近津 大地 東京医科大学, 医学部, 教授 (30343122)
木本 明 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (30597167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 顎骨壊死 / LED / メタボローム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国で現在推奨されている骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(Anti-resorptive agents-related osteonecrosis of the jaw: ARONJ)の治療は、科学的エビデンスに基づくものではなく、これまでの症例の集積と専門家の意見の集約にすぎない。国外では以前より「低反応レベルレーザー治療(Low reactive Level Laser Therapy: LLLT)」が適応され、文献での有用性がシステマティックに検証されている。日本口腔外科学会を含む関連6学会で更新された『ポジションペーパー2016』でも今後明らかにすべき検討課題とされ、我が国でもLLLT研究への積極的な取組みが急務である。このエビデンス獲得のため我々はメタボローム解析の適用を着想した。近年、LLLTはレーザー以外にLED等の光源も含め「低反応レベル光治療」として認知されつつあり、LED光のARONJに対する有効性を見出し、レーザーよりも安価で簡便なLEDによる新規のARONJ治療機器開発へつなげることを目指すべく本研究を開始した。
研究目的達成のための1年目(平成29年度)の課題として、一つめは培養口腔内常在菌に対するLED照射効果の解析を計画した。BRONJ発症への関与が報告されているレンサ球菌と放線菌を具体的モデルにして進めるつもりであったが、前者の連鎖球菌の安定的培養条件を定めるのに複数の培地で予備実験を重ねるなどに手間取り、最適な培地を選択するところまでの進捗に留まった。その他に細胞レベルの実験として、ビスホスホネート(BP)製剤添加ヒト口腔粘膜上皮細胞株に対するLED照射の効果もメタボローム解析で検討するために併せて準備を進め、至適なBP製剤の添加濃度などを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
口腔内常在菌および培養細胞レベルでのLED照射効果を確認し、一定の見解を得たかったが、いずれの実験系ともモデルに選択した細菌・細胞の安定培養につなげるための予備実験に時間を費やすこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に本来は予定していた口腔内常在菌および培養細胞レベルでのLED照射効果の確認を、予備実験で得られた安定的に培養可能な培地、各種試薬の濃度条件などのデータを元に、メタボローム解析の手法を利用して解明していきたい。
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Causes of Carryover |
1年目の研究計画遂行にあたって、実際の細菌・細胞を用いた培養実験がいずれも予備実験や至適な条件設定に時間を要してしまい、思ったほどの進捗を得られなかったため、最終的に必要になるであろうと思われた試薬、その他の消耗品(特にメタボローム解析に要する費用)を購入することがなかったため。 2年目には、これら1年目で購入することのなかった消耗品費を中心とした物品費や中途経過時点での成果発表のための旅費などに、次年度使用額を主として用いていく予定である。
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