2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌におけるメカニカルストレスを介した癌幹細胞形質の制御機構の解明
Project/Area Number |
17K11837
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
重石 英生 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 講師 (90397943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 耕司 広島大学, 病院(歯), 助教 (20335681)
小野 重弘 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (70379882)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / 口腔癌 / ハイドロゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、CD44 高発現口腔癌細胞において間葉形質と癌細胞形質を有する細胞集団を同定し、その自己複製と分化の調節には活性化型GSK3beta依存性のALDH1活性が関与していることを明らかとした。本研究においては、これまでの成果をさらに発展させ、周囲の微小環境やメカニカルストレスにより制御される、口腔扁平上皮癌幹細胞に特有なアポトーシス抵抗性や分化の調節機構を明らかにすることを目的とする。 (1)口腔扁平上皮癌の癌幹細胞形質に関与する液性因子の検討 口腔扁平上皮癌細胞からCD44high/ESAlow 細胞およびCD44high/ESAhigh 細胞をsortingし、内因性PGE2 のアポトーシス抵抗性への関与について検討した。その結果、CD44high/ESAlow 細胞由来のPGE2 がCD44high/ESAhigh 細胞の抗癌剤抵抗性に関与する可能性が示唆された。 (2)足場の弾性率や物性がCD44high細胞に及ぼす影響 異なる硬さのハイドロゲルおよびラミニンにてコーテイングした培養デイッシュを作成し、CD44high口腔扁平上皮癌細胞を培養したところ、あるハイドロゲルの硬さでは細胞形態が線維芽細胞様に変化することが明らかとなった。また、ハイドロゲル上で培養したCD44high口腔扁平上皮癌細胞では、ハイドロゲルの硬さに応じて、間葉系細胞や上皮系細胞のマーカー遺伝子のmRNA発現が変化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイドロゲルおよびラミニンにてコーテイングした培養デイッシュを用いて、CD44high口腔扁平上皮癌細胞の表現型が変化することが明らかとなった。また、CD44high/ESAlow 細胞由来のPGE2 がCD44high/ESAhigh 細胞の抗癌剤抵抗性に関与する可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
① ハイドロゲルにラミニン、フィブロネクチン、コラーゲン等を加えた培養デイッシュを作成する。異なる細胞外基質でのCD44high 細胞の形態変化および幹細胞マーカーの発現やコロニー形成能を検討する。 ②異なる弾性率のハイドロゲル上で培養したCD44high 細胞におけるアポトーシス抵抗性について検討する。 ③細胞形態が変化したCD44high 細胞における遺伝子発現プロファイリングを行う。
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Causes of Carryover |
(理由)ハイドロゲルおよびラミニンにてコーテイングした培養デイッシュ作成のための費用が予定金額を下回ったため。 (使用計画)次年度使用額については、引き続いてハイドロゲルにてコーテイングした培養デイッシュ作成のための試薬や遺伝子発現プロファイリングに必要な費用に充てる計画である。
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Research Products
(6 results)