2019 Fiscal Year Annual Research Report
Recognition of Candida albicans and mechanism of inflammatory response via HO-1 in oral mucosal cells
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17K11841
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福井 暁子 広島大学, 病院(歯), 助教 (50647550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 耕司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20335681)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Hemeoxygenase1 / ROS / CEACAM1 / 口腔粘膜上皮細胞 / Candida albicans / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔カンジダ症はCandida albicans(以下Ca)を主な原因とする日和見感染症で,口腔粘膜細胞にはCaを認識し免疫反応が誘導される防御応答機構が存在すると考えられるが,不明な点が多く,口腔粘膜上皮細胞が誘導する免疫応答機構に注目した。Ca生菌を添加した不死化口腔粘膜上皮細胞(RT7)のマイクロアレイ解析で発現が優位に上昇したいくつかの遺伝子のなかで,特に優位な上昇をみとめたストレス応答性蛋白Heme oxygenase1(HO-1)の口腔粘膜上皮細胞での発現や機能に焦点をあて研究を進めてきた。Ca細胞壁構成成分のCa由来β-glucanでRT7を刺激すると,細胞内酸化ストレスROSを介したHO-1の経路が機能し,炎症性サイトカインであるIL-8やNF-kBの発現を抑制する経路を確認し,Caによって口腔粘膜上皮細胞で惹起される炎症反応の制御へのHO-1の関与を確認した。
最終年度は,Caの感染に対し,HO-1を誘導するROSの上流の経路についての検討を進めた。真菌のレセプターとしてTLR2・4などのTLRsやDectin1・2などのCLRsがあるが,近年,腸上皮細胞の癌胎児性抗原関連接着分子CEACAM1におけるカンジダ認識や炎症調節機構に関する研究が報告され,口腔粘膜細胞でのCEACAM1の発現や機能の可能性に着目した。蛍光免疫染色にてRTの細胞膜上にCEACAM1の発現と局在を確認し,Ca加熱死菌,Ca β-glucanをRT7に添加することでCEACAM1mRNAの発現増加をみとめた。CEACAM1のSiRNA株は,Caで誘導されるHO-1がEACAM1ノックダウンでHO-1の発現が優位に低下した。以上の結果より,口腔粘膜上皮細胞にはCEACAM1がCaを認識しROSを介してHO-1が誘導される経路の存在が示唆された。
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