2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔がん微小環境内のがん幹細胞と腫瘍関連マクロファージの機能解析と新たな治療戦略
Project/Area Number |
17K11854
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
里見 貴史 東京医科大学, 医学部, 臨床准教授 (70276921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 通秀 東京医科大学, 医学部, 助教 (00421066)
古賀 陽子 東京医科大学, 医学部, 講師 (10392408)
近津 大地 東京医科大学, 医学部, 教授 (30343122)
渡辺 正人 東京医科大学, 医学部, 臨床講師 (40349460)
長谷川 温 東京医科大学, 医学部, 助教 (50424619)
長尾 俊孝 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (90276709)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 腫瘍関連マクロファージ / 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん幹細胞(Cancer stem cell: CSC)は、口腔癌の再発および転移を促進するだけでなく治療抵抗性にも関与すると言われている。また、腫瘍微小環境内において、腫瘍関連マクロファージ(Tumor associated macrophage: TAM)が活性化することで産生されるIL-6やMFG-E8がCSCをactivateするという報告も存在する。そこで本研究は、口腔癌(OSCC)微小環境内におけるCSCとCSCを静止期から増殖期に移行させる重要な鍵を握るTAMの相互作用を解析する。さらに、CSCにおけるPI3K/Akt/mTOR経路とTAMにおけるcolony stimulating factor-1(CSF-1)/CSF-1Rシグナル活性経路の双方からアプローチし、局所再発能や転移能が高く治療抵抗性を示す口腔癌の新たな治療法の開発を目指した研究である。 平成29年度の計画では、リンパ節転移OSCC細胞株(HSC-3)とリンパ節非転移OSCC細胞株(HSC-2)を用い、転移細胞株と非転移細胞株間でのCSF-1, NF-κB ,COX-2,VEGF-C発現、CD44(陽性、陰性)腫瘍細胞発現について検証した後、スフェロイド形成能を持つCSCを分離培養する予定であったが、細胞培養からの分離培養が上手くいかず、スフェロイド形成能を持ったCD44発現CSCを得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度の計画では、リンパ節転移OSCC細胞株(HSC-3)とリンパ節非転移OSCC細胞株(HSC-2)を用い、転移細胞株と非転移細胞株間でのCSF-1, NF-κB ,COX-2,VEGF-C発現、CD44(陽性、陰性)腫瘍細胞発現についての検証までは、順調に遂行した。その後、スフェロイド形成能を持つCD44発現CSCを分離培養する予定であったが、細胞培養からの分離培養が上手くいかず困難な状態である。スフェロイド形成能を持ったCD44発現CSCの分離培養テクニックを現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
スフェロイド形成能を持ったCD44発現CSCの分離培養テクニックを現在検討中で、共同研究者を通して他大学研究者に相談している。そのため、当初の予定を変更して、次年度以降の予定のin vivoのOSCCマウスモデルを用いて、CSCに対する治療として、CSCのPI3K/Akt/mTOR経路を直接阻害する治療(mTOR阻害剤:Rapamycin)とTAMのCSF-1/CSF-1Rシグナルを抑制する治療(CSF-1R阻害剤:PLX3397)における抗腫瘍効果、転移抑制効果、予後について明らかにする実験を行う。また、CSC activationの抑制効果を検証するため、CD44陽性腫瘍細胞について免疫組織化学的解析を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度の実験計画では、リンパ節転移OSCC細胞株(HSC-3)とリンパ節非転移OSCC細胞株(HSC-2)を用い、転移細胞株と非転移細胞株間でのCSF-1, NF-κB ,COX-2,VEGF-C発現、CD44(陽性、陰性)腫瘍細胞発現についての検証までは、順調に遂行した。その後、スフェロイド形成能を持つCD44発現CSCを分離培養し、その後、スフェロイド形成能を持ったCD44発現CSCを用いて、液性因子(IL-6, MFG-E8)やmTOR阻害剤(Rapamycin)によるCSC activation抑制効果を解析する予定が、すべて滞ったため、予算額を使用するに至らなかった。本年度は、スフェロイド形成能を持ったCD44発現CSC単離培養実験の継続と並行して、in vivoで、OSCCマウスモデルを用いて、CSCに対する治療として、CSCのPI3K/Akt/mTOR経路を直接阻害する治療(mTOR阻害剤:Rapamycin)とTAMのCSF-1/CSF-1Rシグナルを抑制する治療(CSF-1R阻害剤:PLX3397)における抗腫瘍効果、転移抑制効果、予後について解析を行う計画である。
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