• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

シスタチンDの口腔癌に対する抑制効果と作用点の解析

Research Project

Project/Area Number 17K11856
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

吉垣 純子  日本大学, 松戸歯学部, 教授 (40256904)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
KeywordsシスタチンD / 口腔癌 / システインプロテアーゼ / 癌抑制遺伝子
Outline of Annual Research Achievements

内在性システインプロテアーゼインヒビターであるシスタチンファミリーの役割を解析する目的で,口腔癌細胞におけるシスタチン発現量の変化について解析を行った。低分化型の口腔扁平上皮癌由来細胞で,高い転移能を持つと報告されている HSC-3細胞と,悪性度が低いと考えられているヒト口腔粘膜上皮癌由来細胞SATを実験に用いた。遺伝子発現調節を介して癌抑制効果を持つと報告されている1, 25-dihydroxycholecalciferol (活性型ビタミンD3)を添加して培養を行ったところ,活性型ビタミンD3の有無による細胞増殖速度には有意な差はみられなかったが,浸潤能に低下がみられた。シスタチンファミリーのうち,シスタチンCおよびDのmRNA発現量の時間変化をリアルタイムRT-PCR法によって測定したところ,シスタチンCの発現量はHSC-3,SATともにほぼ一定であり変化は見られなかった。一方,シスタチンDはHSC-3細胞においてビタミンD3添加6時間後から発現が増加し,添加後24,48時間では無添加の細胞と比較して,発現量が有意に高かった。SAT細胞では,活性型ビタミンD3の添加によるシスタチンDの発現量には有意差がみられなかった。このことから,口腔癌細胞においても,悪性度や転移能とシスタチンDの発現の間には関連があり,シスタチンDを機能させることによって癌転移能を抑制できる可能性が示唆された。しかし,ウエスタンブロッティング法によってシスタチンCおよびDのHSC-3細胞におけるタンパク質発現を解析したが,バンドの検出が困難であり,タンパク質としての発現量は低いことが予想された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

シスタチンファミリーは相同性が高く,インターカレーター法によるリアルタイムRT-PCR法だけでは,増幅プライマーの特異性に問題がある可能性があった。そこで,インターカレーター法による解析に加えてプローブ法でもリアルタイムRT-PCRを行い,類似の結果を得た。mRNA発現量の解析の確認に時間をかけたため,研究の進捗に遅れが生じた。また,ヒトシスタチンDのブレビバチラスによる分泌発現系の構築を試みたが,発現ベクターの構築には成功したものの,ブレビバチラス組換体が通常の2SY培地では得られず,培地およびトランスフォーメーション条件の検討に時間を費やした。

Strategy for Future Research Activity

シスタチンDの発現と口腔癌の悪性度に関連があることが予想されたが,口腔癌細胞におけるタンパク質としての発現量が少なく,細胞内局在の同定に至らなかった。シスタチンDが耳下腺から分泌される唾液タンパク質であることから,ヒト耳下腺癌由来細胞であるHSY細胞を用いてシスタチンDのmRNA量を測定した。その結果,HSC-3およびSATと比較して発現量が多いことを確認している。そこで,HSY細胞における活性型ビタミンD3依存的な細胞増殖速度および足場非依存性増殖能,浸潤能を測定し,シスタチンDの発現量変化と比較する。同時に共焦点レーザー顕微鏡を用いて,シスタチンDの細胞内局在を解析する。すでに作成済みのリポータータンパク質HaloTagとシスタチンDの融合遺伝子をアデノウイルスベクターにより遺伝子導入し,リアルタイムでの細胞内輸送の観察を試みる。また,作製した組換えシスタチンDのブレビバチラス分泌発現系を利用して,培地からコバルトカラムを用いて精製する。精製シスタチンDを口腔癌細胞および唾液腺癌細胞の培地へ添加して,癌細胞の悪性度への影響を検討する予定である。これにより,シスタチンDの癌抑制効果を定量化できると考えている。

Causes of Carryover

平成31年度に,細胞培地に精製シスタチンDを添加して,癌細胞の悪性度を測定する予定であるが,解析キットが高額であるため,購入に費用が多くかかる事を予想し,31年度分として予算を残した。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 Other

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Role of cysteine protease inhibitors in malignancy of oral squamous cell carcinoma2019

    • Author(s)
      Junko Fujita-Yoshigaki, Megumi Yokoyama, Osamu Katsumata-Kato
    • Organizer
      9th FAOPS Congress
    • Int'l Joint Research
  • [Remarks] 日本大学松戸歯学部生理学講座

    • URL

      https://yoshigakijunko.wixsite.com/physiology

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi