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2017 Fiscal Year Research-status Report

変異型p53が導くエンドサイトーシス異常の解析

Research Project

Project/Area Number 17K11859
Research InstitutionKanagawa Dental College

Principal Investigator

鈴木 健司  神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (80350536)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小澤 重幸  神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40434394)
小林 優  神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00162024)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsp53 / 頭頚部扁平上皮癌 / CXCL14 / GPRC5b
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、癌で変異するがん抑制遺伝子p53が、変異による機能喪失ではなく、新たな機能を有することで癌の増悪化に関与することを示すことである。近年、我々が着目するケモカインCXCL14が免疫系細胞のケモタキシスのみならず糖尿病に関与する遺伝子であることが明らかとなった。p53においてもインスリン抵抗性に関与する分子であることは明らかとなっており、糖尿病の原因遺伝子として着目されている。癌細胞は正常細胞と比較すると数十倍糖代謝が亢進しており、この糖代謝は癌の成長に必須なものである。計画書記載の時は、最終的にp53の変異が、EGFR (頭頚部扁平上皮癌の増殖に重要な役割を果たす分子) の発現上昇に関与することに着目していた。しかしながら、もっとも癌細胞の増殖に重要な糖代謝についても検討しなければならないと考え、H29年度は、① 糖代謝、② p53、③ CXCL14をキーワードとして基礎的研究に時間を費やした。得られた結果は、頭頚部扁平上皮癌細胞株HSC-3を糖不含の培地で培養すると、糖を添加することでCXCL14の遺伝子発現が上昇することをはじめて明らかにした。さらに、興味深いことは、CXCL14の糖添加による遺伝子発現の上昇は糖の濃度に対して依存的ではなく、低グルコース、高グルコースどちらでも同程度の上昇を示した。この結果から、CXCL14は糖を感作する遺伝子である可能性が示され、近年報告されているGPRC5b (貯蔵エネルギーのセンサーとしても考えられている分子) との関わりもあると考えられた。そこで、GPRC5bの遺伝子発現についても検討したところ、CXCL14と同様に、糖の添加によって遺伝子発現の上昇を示した。CXCL14およびGPRC5bの発現制御についての報告は少なく、p53との関連を含め本研究を遂行することは重要であると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

「今後の研究の推進方策」に記載したようにH29年度はEGFRのみならず新たなターゲットとなる糖代謝にも着手したため研究計画が一部変更された。結果としてH29年度に行うことを予定していた研究にはあまり着手せず、「現在の進捗状況」としては「やや遅れている。」とした。

Strategy for Future Research Activity

H30年度の研究方針としては、H29年度に行った糖代謝に関与する遺伝子CXCL14、GPRC5bが変異したp53によって制御を受けるかどうかについて検討を行うこととする。また、変異型 p53 が核に移行する能力を有するかどうか、ならびに転写活性の有無についても併せて研究を進める。p53がCXCL14、GPRC5bの遺伝子発現を制御するかどうかはp53のsiRNAを使用し検討することとする。p53が核に移行するかどうかについては、HSC-3 細胞を抗 p53 抗体で免疫染色し、変異型 p53 の細胞局在を検討する。変異型 p53 に転写活性があるのかどうかについては、 Cignal p53 Pathway Reporter Assay Kit の p53 プロモーターベクターを HSC-3 細胞に導入後、 プロモーターアッセイで検討する。

Causes of Carryover

H29年度行った研究は、現在、研究室で所有する試薬および材料で対応できたこと、購入を予定していた遺伝子導入機器 (① 癌細胞へのプロモーターベクター、② 正常細胞への変異型p53の遺伝子導入で使用予定) であるNeon Transfection System (ThermoFisher社)を購入しなかったため、次年度使用が生じた。研究テーマが糖代謝を含むこととなり、消耗品が多く必要となることが予測されるため、遺伝子導入はまずはリポフェクション法を試み、導入困難であった場合は、受託サービスで行うことを検討している。

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Published: 2018-12-17  

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