2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌におけるリンパ節転移機構に及ぼす癌免疫応答の解明
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17K11876
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
熊丸 渉 九州大学, 大学病院, 講師 (90432947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼丸 満穂 九州大学, 医学研究院, 助教 (00380626)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 癌免疫応答 / 口腔癌 / リンパ節転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌細胞株WK2(70継代)でのヌードマウスの舌への異種移植では、造腫瘍能が30%(3/10頭)頸部リンパ節への転移能が33%(1/3頭)であり、WK2癌細胞株にはヌードマウスでの転移能があることが確認されている。また、後発転移巣から樹立したWK3F癌細胞株では、造腫瘍能が50%(5/10匹)、頸部リンパ節への転移能が60%(3/5匹)であったことから、ヌードマウスにおいては、必ずしも100%転移するわけではなかった。そこで、様々な特性をもった癌細胞を調べるためにも、初代培養から最初に保存可能であった癌細胞群より、シングルセルを作製して解析することが重要である。 今回、早期に保存した癌細胞群よりシングルセルの作製を試みたが、上手くはいかなかった。貴重な癌細胞であるため、いったんWK2癌細胞(30継代)からのシングルセルの作製を試み、50種類程を抽出した。そして、生物学的特性(細胞増殖能や転移能など)によって選別を行っている。 同一患者由来の皮膚(コントロール)とWK2癌細胞株及び転移巣由来癌細胞(WK3)の遺伝子発現を比較するためマイクロアレイ法で解析を行った。解析した遺伝子総数は50599で、正常細胞より発現が低下した遺伝子を Z-score ≦ -2.0 かつ ratio ≦ 0.2で選別した。 皮膚に対しWK2とWK3がともに発現低下を認めた遺伝子は767で、これらの遺伝子について、Cancer related geneで検索を行い、がん抑制遺伝子の候補を選別中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
早期に保存したWK2の癌細胞群からのシングルセルの作製が、数的に得られておらず、いったん30継代の細胞でプレ実験を行っている。 歯学部の動物実験室が閉鎖のため、ヌードマウスにおける転移能の確認が困難である。 これらに関連する実験に遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
早期に保存したWK2の癌細胞群のシングセルをできるだけ多く作製するため、マンパワーが必要である。 動物実験に関しては医学部の実験室を使用予定である。 マイクロアレイの解析で得られたがん抑制遺伝子や転移関連遺伝子をシングルセルに強制発現や抑制させることによって、細胞の特性の変化を確認する。
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Causes of Carryover |
動物実験や遺伝子導入実験に遅れを生じているため
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