2020 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌におけるリンパ節転移機構に及ぼす癌免疫応答の解明
Project/Area Number |
17K11876
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
熊丸 渉 九州大学, 大学病院, 講師 (90432947)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼丸 満穂 九州大学, 医学研究院, 助教 (00380626)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / 癌免疫 / シングルセル |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに口腔癌細胞株WK2(70継代)でのヌードマウスの舌への異種移植では、造腫瘍能が30%(3/10頭)頸部リンパ節への転移能が33%(1/3頭)であり、WK2癌細胞株にはヌードマウスでの転移能があることが確認されている。また、同一患者の後発転移巣から樹立したWK3F癌細胞株では、造腫瘍能が50%(5/10匹)、頸部リンパ節への転移能が60%(3/5匹)であったことから、ヌードマウスにおいては、必ずしも100%転移するわけではなかった。そこで、様々な特性をもった癌細胞を調べるために、WK2癌細胞(30継代)からのシングルセルの作製を試み、50種類程を抽出し生物学的特性について調査した。 遊走能の比較試験(n=42)は、scratch assayを用い、6時間ごとに面積をkeyence BZ-X800で計測した。18時間後の創部面積は、約0~90%とさまざまな遊走が認められた。 細胞増殖能の比較試験(n=32)は、96穴平底プレートに1穴あたり、5.0x10(3乗)個を播種し、12時間ごとにマイクロプレートリーダー(吸光度570nm)を用いて測定した。36時間後において、スタートからの分裂がほとんどなかったものから2.5倍の吸光度の上昇を認めたものまでさまざまであった。 JMP Pro15を用いた階層的クラスター解析では、遊走能の比較試験では2群、細胞増殖能の比較試験では3群に分けることができた。これらの結果より、WK2癌細胞(30継代)において生物学的特性の異なる3種類以上のクローンが存在することが確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で実験室使用が困難な時期があったため
|
Strategy for Future Research Activity |
生物学的特性の異なるシングルセルをヌードマウス異種移植を行い、転移能の違いを確認し、遺伝子解析を行う予定である。コロナ禍の状況次第では、実験施設の使用に問題が生じる可能性がある。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍で実験が進まず、予定していた動物実験と遺伝子解析の研究費が残ってしまったため(最終年度の繰り越し)。
|