2018 Fiscal Year Research-status Report
臨床的放射線耐性口腔癌細胞を用いた放射線抵抗因子の解明
Project/Area Number |
17K11880
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
山本 哲彰 大分大学, 医学部, 講師 (50397923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菓子野 元郎 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00437287)
小橋川 新子 (菓子野新子) 京都大学, 複合原子力科学研究所, 研究員 (70637628)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 放射線耐性 / 上皮間葉転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株の解析は順調に進んでいるKON細胞、SAS細胞における、1Gyおよび2Gy耐性細胞の維持を行いながら、コロニー形成法、growth assayでの放射線耐性の確認を随時行ってる。 増殖能は親株と比較して落ちているものの、連日の1Gy、2Gy照射下でも安定した細胞増殖が得られている。 臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株において親株と比較し細胞形態が紡錘形へと変化しており、長軸の計測値において有意差を認めていた。このことから上皮間葉転換が誘導されている可能性が有るため、上皮間葉転換のマーカーとなる蛋白質(Vimentine, E-Cadherin, N-Canherin, β-Catenin, Snail, Slug,ZEB1, Claudin-1, ZO-1)の発現をイムノブロット法で検討を行った。 その結果Vimentine,N-Canherinの発現上昇,E-Cadherin,β-Cateninの発現低下が認められ、上皮間葉転換が誘導されていると考えられた。 KON細胞、SAS細胞において臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞細胞株のプロテオーム解析を行い、親株と比較し2倍以上、1/2以下の変動を認めたスポットを21個認めており、上昇したものが8スポット、低下したものが13スポットであった。現在これらのスポットの切り出しを行い、TOF-MS解析を進めており、現在までに解析出来た蛋白質は上昇したものがPyruvate Kinase,Vimentin,Cofilin,低下したものはHeat shock 70 kDa protein,Fascinであった。 臨床的放射線耐口腔扁平上皮癌細胞性株のメタボローム解析は現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株の維持、耐性の確認は随時行えており、安定して耐性細胞が維持できており、おおむね順調に進んでいると考える。 臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株におけるプロテオーム解析では、二次元泳動、画像解析、スポットのピックアップまで行い、TOF-MS解析も徐々に進んでいる、いくつかの蛋白質の同定が出来ているが、まだTOF-MS解析に至っていないサンプルが残っており、少し遅れていると考える。 メタボローム解析においては、現在進行中であり、データはまだ出ていないため、少し遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株の維持はこれまで通り継続していく。 今回作成している全ての臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株において上皮間葉転換が生じていることから、どの様なメカニズムで上皮間葉転換が誘導されているのか検討を行う。 プロテオーム解析で同定した蛋白質を口腔扁平上皮癌の臨床病理検体を用いた免疫組織学的染色で検討し、臨床病態、治療結果と関連するかを検討する。 臨床的放射線耐性株のメタボローム解析はそのまま継続する。
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Causes of Carryover |
放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞のメタボローム解析において、サンプル調整の問題で、解析が途中までしか進行しておらず、脂肪酸解析を来年度に繰り越したため、その費用を次年度使用額へ使用する予定である。
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