2018 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌上皮間葉移行におけるp130 Casの役割と治療標的としての可能性
Project/Area Number |
17K11884
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
吉岡 泉 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10305823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 琢磨 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00423137)
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
自見 英治郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
松尾 拡 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
大澤 賢次 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70638238) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | p130Cas / 口腔扁平上皮癌 / 上皮間葉移行 / 顎骨浸潤 / TGFβシグナル / TGF-β |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌(OSCC)の顎骨浸潤は予後を左右する重要な要因である。よって顎骨浸潤をいかにコントロールするかが口腔癌治療の重要な戦略となる。癌細胞が周囲組織に浸潤や転移する際に、上皮間葉移行(epithelial-mesenchymal transition: EMT)が関与することが知られる。p130Casは細胞骨格を制御する分子で様々な癌で発現が上昇し、EMTに関与する可能性があるがその役割には不明な点が多い。そこで本研究では、まず手術で切除されたOSCC顎骨浸潤サンプルを用いてp130Casの発現とEMT誘導因子TGFβシグナルとの関連を免疫組織学的に検討する。さらに in vitroでTGFβシグナルが誘導するSCC細胞の形態変化、移動・浸潤・骨破壊におけるp130Casの役割を明らかにする。 ヒトOSCCにおいてp130Casの発現が高く活性化した細胞ではSmad3のリン酸化、すなわちTGFβシグナルが亢進していた。TGFβ処理により細胞は間葉系細胞様に形態が変化したが、p130Casの発現が低下した細胞では、TGFβ刺激による細胞形態の変化が乏しく、細胞の移動と浸潤能の低下がみられ、さらにMMP-9の酵素活性の低下が認められた。また、in vivo骨破壊モデルにおいてもp130Casの発現が低いSCCⅦ細胞を接種した群では、頬骨弓の破壊が少なかった。 これらの結果から次のような結論を得た。 OSCCにおけるp130Cas活性化部位ではTGFβシグナルが亢進する。 TGFβシグナルが誘導するSCC細胞の形態変化や移動、浸潤、骨破壊にはp130Casが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね、計画通りに進んでいる。現在、論文を投稿中で、追加の実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
論文に投稿中であるが、軽微な修正や、追加の実験を行う。成果を内外に公表していく。
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Causes of Carryover |
必要な研究備品・消耗品の購入が遅れたため。次年度は追加実験のための消耗品・備品購入や論文投稿への支出経費とする。
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