2020 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between SPARC (osteonectin) and recurrence of malignant tumor
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17K11885
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
鈴木 厚子 奥羽大学, 歯学部, 講師 (90405986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 豊信 奥羽大学, 歯学部, 准教授 (10382756)
高田 訓 奥羽大学, 歯学部, 教授 (40254875)
加藤 靖正 奥羽大学, 歯学部, 教授 (50214408)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SPARC / TRPM5 / がん / TAS2R |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスのルイス肺癌細胞であるLLC細胞で酸性条件下での長期培養では一過性受容体電位(TRP)ファミリーのメンバー5(TRPM5)の発現が増加した。TRPM5を刺激することでSPARC発現に変化を及ぼすかの目的で、TRPM5活性を増強するステビオ-ル配糖体を添加し培養を行ったが、現在まで新たな知見を見いだせていない。そこで、細胞を口腔扁平上皮癌細胞であるCa9-22を用いて、酸性条件下での培養で3か月(40回)以上継代培養を行い、ステビオ-ルでTRPM5を刺激すると、がん幹細胞マーカーの発現増加と、それに引き続く、細胞浸潤活性と転移活性の増加が観察された。TRPM5はCa2+依存性陽イオンチャネルであることからCa2+の細胞内動態を解析した。 これとは別に、がん細胞でCa2+と同じ二価の陽イオンであるZn2+の細胞内の働きを解析した。この理由として、次の二点がある。細胞内のCa2+とZn2+のシグナル伝達経路にはクロストークがあることが知られているからでる。加えて、SPARCはCa2+以外にも陽イオン感受性タンパク質の細胞外modulatorと想定されているからである。その解析の結果、味覚2受容体(TAS2R)のうち一部のTAS2Rプロモーターの活性は、がん細胞内でCaと同じZn2+によって増加した。この反応は一部に CCCTC-binding factor(CTCF)の結合反応を伴っていた(Biomed Res. 2020)。着目すべきはZn2+の欠乏は、細胞増殖に大きな影響を与えた。そこで、SPARCの発現とCa2+やZn2+との関連とがん細胞の増殖・転移能について評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究が遅延している理由として次のことがある。 1.昨年5月のコロナ関連で全国に出された緊急事態宣言により、研究(特に細胞の継代培養)が中断となった。 2.2021年2月13日の地震の影響により、研究環境の損害とその回復に時間を要している。 これらの要因が、研究全体を遅延させている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の地震では、機器類の損傷が多く回復に努めているが、上半期には環境をほぼ整えられると思われる。本年度は、環境が整い次第順次遅延している解析を進めていくことに努めたい。
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Causes of Carryover |
コロナ関連の緊急事態宣言により細胞培養の中断、2021年2月の地震などによる影響で、予定していた実験ができなかった。一部の解析は、コロナ関連で中断したためやり直しをせざる終えない解析があった。このため、全体として研究が遅延し、次年度に使用金が発生してしまった。これは、環境が整い次第、未実施の解析に使用する予定である。
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