2017 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of the next-generation oral cancer examination.
Project/Area Number |
17K11888
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
柴原 孝彦 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (50178919)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 口腔がん / がん検診 / 口腔がん検診 / 歯科医師会 / バーチャル検診 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔は視診・触診が比較的容易な臓器であるにも関わらず、口腔がんは進行がんで発見されることが多く、罹患率も増加傾向にあることから、早急な対策が必要である。一般開業歯科医(GP)が日常診療の場で口腔がんを早期に発見できれば、早期治療に結びつき、口腔がんの死亡率の減少に寄与できると考えられる。これまでにGPのサポート体制を整備する目的で、インターネット環境を利用した情報提供システムである口腔がん検診ナビシステムを構築してきた。本年度は、その技術を利用して、GPと口腔がんの診断・治療を専門とする専門医療施設をICTネットワークでリアルタイムに情報共有し、GPにあたかも口腔がんの専門家が常駐し口腔がん検診を行うがごとくの「バーチャル検診センター」を構築し、口腔がん検診を行っていくためのネットワークシステムの開発を行った。千葉市歯科医師会の有志によるバーチャル検診センターネットワークを構築し、バーチャル検診センター実用化に向けたインフラを整備した。口腔がん検診協力医に対して、口腔がん検診のための教育、啓発活動および検診手法の習熟、標準化とマニュアルを整備した。当科内に、バーチャル検診センターのコントロールセンター機構を整備し、ITCを用いたサーバーシステム、データのクラウド管理の可能性を検討した。また、口腔がんに対する認知度の向上と、医療従事者に最新の情報提供を行うためwebサイト(http://www.oralcancer.jp/)を立ち上げた。誰でも無料でアクセスでき、口腔がんの実態を見聞しセルフチェックの手順を容易に学ぶことができる。本システムは歯科医院からの質問を受けて、回答するだけでなく、情報の提供も目的とした。また、GPに対する口腔がんに対する啓蒙と本システムに関する情報共有の目的で、地域歯科医師会と協力しGPを対象とした講演会を全国18都道府県において無償で行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の計画では、バーチャル検診センター実用化のためのネットワークシステムの開発を行うことが主目的であった。千葉市歯科医師会の有志によるバーチャル検診センターネットワークを構築し、バーチャル検診センター実用化に向けたインフラを整備できた。具体的には、当科内に、バーチャル検診センターのコントロールセンター機構を整備し、ITCを用いたサーバーシステム、データのクラウド管理の可能性を検討できた。さらに、バーチャル検診センターのデータマネージメントセンターを構築し、運用上の問題点を整理することができた。また、口腔がん検診協力医に対して、口腔がん検診のための教育、啓発活動および検診手法の習熟、標準化とマニュアルを整備できたことなどから、概ね研究計画に基づいて研究を施行することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度には、次世代口腔がん検診システムに向けたクリニカルパスとアルゴリズムの最適化を行う。一般歯科医院への啓蒙と高度専門治療機関への受け入れ態勢の標準化に着手する。前年度までに整備したバーチャル検診センターネットワークを実際に運用し、本システムによって発見された口腔がんやリスク病変の発見率と、介入が行われないで口腔がんが発見された場合の一般の発見率とを比較する。光学機器を実際のバーチャル検診センターネットワー クに導入し、「検診医療機関(一般開業医)とコントロールセンターで齟齬なく画像判断が可能かどうか」を検討する。光学機器で描出された病変部の分子病理学的特性を比較することで、口腔がん発症のリスク 評価への有用性を検討する。光学機器や視診により絞り込まれた病変から擦過細胞診により上皮細胞を採取、前年度までに確立した微小検体からの次世代シーケンス法を応用して、病変部のプロファイルを取得する。病変の遺伝子変異プロファイルと細胞異型を比較し、細胞診判定の補助検査としての有用性を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
本年度はバーチャル検診センター実用化のためのネットワークシステムの開発と口腔がんの啓蒙活動を中心に研究を進めた。併行して、一般開業歯科医師がチェアサイドで簡便に行うことが可能な口腔がんのスクリーニング検査法を開発し、口腔がん検診に応用し、その有用性を検討したかったのだが、システムの開発に多大な時間を費やしたため、システム開発に留まった。次年度は、口腔がんや前癌病変、前癌状態、上皮異形成症などの病変を描出する光学機器を口腔がん検診へ応用できる可能性について解析するとともに、検診現場で採取された微小検体の解析から「がん発症のリスク評価」を行う等の研究に経費を使用する予定である。
|
-
-
-
[Journal Article] Prognostic factors of adenoid cystic carcinoma of the head and neck in carbon-ion radiotherapy: The impact of histological subtypes2017
Author(s)
Ikawa H, Koto M, Takagi R, Ebner DK, Hasegawa A, Naganawa K, Takenouchi T, Nagao T, Nomura T, Shibahara T, Tsuji H, Kamada T
-
Journal Title
Radiother Oncol
Volume: 123
Pages: 387-393
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-