2017 Fiscal Year Research-status Report
低酸素環境下における口腔癌のがん幹細胞に対する新規分子標的治療の開発
Project/Area Number |
17K11890
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
足立 誠 朝日大学, 歯学部, 講師 (10468192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大越 絵実加 青森大学, 薬学部, 准教授 (10287667)
伊地知 圭 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50510278)
梅村 直己 朝日大学, 歯学部, 助教 (80609107)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔がん / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は申請者の研究成果より、頭頸部扁平上皮癌細胞のSTAT3(Signal Transducer and Activator of Transcription 3 )を標的にすることで低酸素誘誘導因子HIF-1aも阻害し放射線治療への感受性を有意に増加させることを明らかにしたことから、低酸素環境下におけるがん幹細胞のエネルギー代謝機構を解明し、それにより腫瘍組織内(低酸素微笑環境)のがん幹細胞を標的とした治療戦略を確立することである。 本研究計画はまず低酸素環境下におけるがん幹細胞のエネルギー代謝機構を明らかにするため、低酸素細胞培養装置と低酸素環境において細胞処理できる低酸素培養ステーションの研究環境を整えるはずではあったが、残念ながら、その研究環境を初年度で整えることはできなかった。そこで、共同研究者と話し合い。頭頸部扁平上皮癌の第一選択薬である白金化製剤であるシスプラチンに対する耐性を保持するシスプラチン耐性頭頸部扁平上皮癌細胞を作成した。 その結果、通常の頭頸部扁平上皮癌細胞ではシスプラチン1μMがthe half maximal inhibitory concentration (IC50)であったものが、耐性株のシスプラチンのIC50は100μM以上であった。 そして次に我々は、親株である頭頸部扁平上皮癌細胞株と耐性株のがん幹細胞の特徴を解析した。がん幹細胞の表面マーカーであるCD44はシスプラチン耐性株において親株に比して有意に発現が上昇していた。またがん幹細胞の表面マーカーの一つであり、薬剤排出ポンプのATP-binding cassette sub-family G member 2 (ABCG2)が耐性株において発現し、さらに薬剤排出能が有意に増加していた。今後は頭頸部扁平上皮癌細胞株とシスプラチン耐性株のエネルギー代謝機構を解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は低酸素環境下におけるがん幹細胞のエネルギー代謝機構を解明し、それを持って次世代の治療戦略を構築することを目的としていたが、予定に反し、低酸素細胞培養実験環境の構築に時間がかかっている。そこで、共同研究者と相談し、低酸素環境下におけるエネルギー代謝だけではなく、次案であった薬剤耐性獲得した場合のエネルギー代謝機構の解明を行うことにしたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
低酸素環境における細胞培養実験の構築を引き続き行いながら、薬剤耐性獲得に伴うエネルギー代謝機構の変化を検証していく予定である。 具体的には親株と耐性株におけるNAD/NADH比、NADP/ NADPH比、ATP産生量を比較検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
本研究の目的は低酸素環境下におけるがん幹細胞のエネルギー代謝機構を解明し、それを持って次世代の治療戦略を構築することを目的としていたが、予定に反し、低酸素細胞培養実験環境の構築に時間がかかり、予定通り実験を進めることができなかったため。次案である薬剤耐性獲得後のエネルギー代謝機構を解明するため、promega assay kitやウエスタンブロッティング法用の抗体を購入し実験を行いながら、引き続き低酸素環境における細胞培養実験の構築を行う。
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Research Products
(6 results)