2019 Fiscal Year Research-status Report
病的情動変容が惹起する口腔顔面領域心因性疼痛の行動生理学的解明
Project/Area Number |
17K11902
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 裕 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50323978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 博之 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20547575) [Withdrawn]
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40242440)
照光 真 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60401767) [Withdrawn]
村松 芳幸 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80272839)
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 口腔顔面痛 / 慢性疼痛 / 病的情動変容 / 心因性疼痛 / 不定愁訴 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常の臨床業務において、原因不明の慢性疼痛、特に心因性の要因がこの疼痛に関与しているのではないかと疑われる患者は決して少なく無い。これら慢性疼痛患者の病態に対する心身医学的な仮説としては、心理的ストレスや不安・抑うつなどの病的情動変容状態は慢性疼痛の痛みを増強させる(痛覚過敏症状の惹起)のではないかと考えた。さらにはこの過度な心理的ストレスや病的情動変容状態自体が器質的・身体的原因の無い部分に痛みを発生させる(心因性疼痛の発症)のではないかと考えた。そこで、本研究では、慢性疼痛、特に顎顔面口腔領域の慢性疼痛である口腔顔面痛において、病的情動変容状況(不安・抑うつ、高ストレス状況)の存在が痛みの発生・増悪にどの程度関与しているか、すなわち“心因性疼痛”を行動生理学的に解明・立証することを目的として、情動変容と疼痛に関する行動生理学的研究を立案し、現在研究の遂行中である。 研究3年目である本年度は、実験動物として用いるラット(Wistar-Kyoto Rat)が内的・外的なストレスに予想以上に非常に脆弱であることから、実験上の取り扱い方法に関して検討・修正を続けながら、実験を進めている状況である。さらに本研究を遂行するにあたり必要とされる心身医学・心療内科学・歯科麻酔学・慢性疼痛学などの本研究に関連する各分野の学術集会や研究会・研修会にも参加し、さらなる情報収集を行っている。現在までに、これらの情報収集や手技的・技術的な習得結果をもとに、共同研究者とさらなるディスカッションを進めつつ、まずは実験環境の調整、安定したデータ収集を行うための、コントロール実験を進めているところである。今後さらに実験対象とするラット(Wistar-Kyoto Rat)も用いながら実験を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究にて実験対象としている動物が、Wistar-Kyoto Ratという内的・外的なストレスに対して非常に脆弱なラットのため、安定したデータを収集するための取り扱い方法、実験方法、測定方法についての検討・修正等に時間を要している。さらに、共同研究者の退職等の理由で人員変更(2名の人員減)があり、実験全般にかかわる協力人員の減少のために、さらに少ない人員で研究対応をしなければならなくなってしまったことから進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物の取り扱い、および実験方法について検討・修正を続けながら、コントロール群(Wister-Rat群)および対象群(Wistar-Kyoto Rat群)の実験を同時並行しながら実験を遂行し、両者のデータ収集を比較検討しながら並行して進めていく予定である。研究人員減少に伴い、進捗が遅れていることから、1年研究機関を延長し、さらにデータ収集を中心に研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究3年目に予定していた実験が研究人員減少のために、遂行が遅れ、予想以上に進められなかったため、実験動物の購入費、および動物実験の薬品購入費などの計上がなされなかったため、その結果次年度使用額が生じた。1年研究期間を延長した次年度にはさらなる実験遂行を行い、これらの次年度使用金を実験動物購入費、実験薬品購入費を主体に充てて使用してゆく予定である。
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