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2018 Fiscal Year Research-status Report

アルツハイマー病モデルラットにおける口腔領域の痛覚異常の解明

Research Project

Project/Area Number 17K11905
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

丹羽 均  大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30218250)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 前川 博治  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10711012)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsアルツハイマー病 / ラット / 痛覚 / 三叉神経 / 疼痛関連行動 / C-Fos
Outline of Annual Research Achievements

認知症は高齢者にみられる主要な疾患で、口の健康とも関連性が強い。歯科臨床上、認知症患者は自ら口腔領域の不調を訴えることは少ない。一方、口腔ケアや歯科治療などの歯科的介入を強く拒否することも多い。これらの拒否行動が認知症に伴う中核症状や周辺症状の現れとも解釈できるが、口腔領域の痛覚、特に痛覚の認知に変化が生じている可能性も否定できない。認知症の治療薬としてアセチルコリンやNMDA受容体に作用するドネペジルやメマンチンが有効であることは、認知症患者の脳内での神経伝達に何らかの変調が起こっていることを示唆している。本研究の目的は、認知症が口腔領域の痛覚に及ぼす影響を検討することであり、認知症モデルラットを用い、上口唇へのホルマリンテストを行い、疼痛関連行動、および三叉神経脊髄路核でのc-FOS発現から検討する。
認知症モデルとしては、アルツハイマーモデルラットを用いる。ラットの両側海馬に、Aβ1‐40、および興奮性アミノ酸のイボテン酸を注入することで作製し、行動実験及び免疫組織学的手法を用いてモデルの評価を行う。その後、口腔顔面領域の痛覚への影響を検討するため、上口唇へのホルマリンテストを行い、疼痛関連行動の評価及び免疫組織学的手法を用いて対照群と比較検討する。
Aβおよびイボテン酸を投与して作製したモデルラットにおいて、モリス水迷路及びY字迷路試験において学習能力の障害が認められた。免疫染色においては神経細胞障害およびAβの沈着を確認することができた。次に、作製した認知症モデルラットを用いて上口唇にホルマリンテストを行った結果、第二相において疼痛関連行動の減少が認められた。また、免疫染色の結果、AD群では対象群と比較してVcの浅層におけるc-FOS発現陽性細胞数の有意な減少が認められた。
以上の結果より、認知症モデルラットの口腔領域の痛覚は鈍麻している可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までに、アルツハイマーモデルラットの確立、口腔顔面領域へのホルマリンテストの実施が完了しており、おおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

ホルマリンテストの結果から、口腔顔面領域における炎症性刺激に対する痛覚は鈍麻していることが判明した。しかし、口腔顔面領域以外の痛覚への影響も調べる必要があるため、同様に作製したモデルラットにおいて、下肢へのホルマリンテスト等を行い、痛覚異常の評価を行い、体全体における痛覚の認知への影響を評価する。
さらに、アルツハイマー病モデルラットとして報告されている別のモデルでの検討も考慮する予定である。

Causes of Carryover

海外で開催される学会へ出席し、研究に関する情報収集を行う予定であったが、都合がつかず出席できなかったため、その分の旅費分が執行されなかった。
その分、今年度の出張を予定している。

URL: 

Published: 2019-12-27  

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