2018 Fiscal Year Research-status Report
Micro-graftを用いた培養操作を介さない骨再生法の確立
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17K11911
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大場 誠悟 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (80363456)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨造成 / ハイドロキシアパタイト/コラーゲン複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の結果から、家兎の脛骨に作成した骨欠損に填入するハイドロキシアパタイト/コラーゲン複合体の大きさは、欠損の大きさに一致するものが、骨造成および人工材料の吸収の観点から最も望ましいことが明確になった。当初、脛骨に直径6mmの欠損を作成することで進めていたが、個体によっては下肢を骨折させるものも認められた。また、3壁性の骨欠損を作成、これに人工材料を填入したが、コントロールであってもある程度の骨が再生され、コントロールで骨再生が認められない欠損を作成すると骨折する個体が多かった。そのため、欠損様式、動物種をラットに変更し、骨欠損部は頭頂骨に作成することとした。 Wisterラットの頭頂骨にトレフィンバーで直径8mmのclinical defectを作成した。この欠損部に直径7mmで高さ5mmのハイドロキシアパタイト/コラーゲン複合体を填入した。移植後4, 8, 12週後に屠殺し、組織票本およびマイクロCT画像で欠損部を観察したところ、人工材料を填入した個体では明らかに骨造成が進んでいたことが確認された。しかしながら、移植して12週経過した後であっても、完全に欠損領域を閉鎖するには至っていなかった。人工材料に同個体の歯肉から採取したmicro-graftを添加し、骨欠損領域の完全な閉鎖が可能か否かを検討中である。また、個体発生に必須因子であるwntと未分化細胞を骨芽細胞に誘導する可能性をもつleptinを添加することにより、骨造成能がenhanceされるか否かを確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物種の変更などがあったため、進行は予定より遅れている。しかしながら、骨欠損モデルは確立できたため、今年度の前半は移植実験を主に進め、後半に分析することにより、最終的には当初の計画が完了できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
骨欠損モデルは確立できたため、今年度の前半は移植実験を主に進め、後半に分析することにより、最終的には当初の計画が完了できる予定である。 ハイドロキシアパタイト/コラーゲン複合体へのmicro-graftの添加は予備実験で確認しており、micro-graftの添加のないものに比較して、骨造成のenhanceが確認されている。また、leptinやwntの本人工材料への吸着はゼラチンを使用することで可能であることが確認できている。これらの予備実験の結果から、今後の移植実験はスムーズに行える。 また切片作成や、HE染色、免疫染色などの屠殺後の処置に関しても、条件設定は行なっているため、スムーズに進行できると考えられる。
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