2018 Fiscal Year Research-status Report
歯の移動による骨改造現象におけるヘッジホッグ応答性転写因子Gli1の機能の解明
Project/Area Number |
17K11932
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10396715)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡安 麻里 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10610941)
大庭 伸介 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (20466733)
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80372390)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 歯科矯正学 |
Outline of Annual Research Achievements |
Gli1下流遺伝子転写制御機構の解析:歯槽骨骨髄由来間質系細胞においては次世代シーケンサーを用いたクロマチン免疫沈降sequencing(ChIP-seq)に必要な細胞数を確保することが困難であったため、同細胞と似た分化能を有している複数の骨格系間葉系細胞を用いてChIP-seq解析を行い、Gli1のゲノム結合領域の網羅的探索を行った。特異的抗体を用いた免疫沈降の効率を最大限高めるため、Gli1遺伝子と3xFlagの融合ペプチドをコードする遺伝子の融合遺伝子を細胞に発現させ、抗FLAG抗体を用いたChIP-seq解析を行った。得られたシークエンスデータの質をFastqcソフトウェアで確認した後、bowtieによるmappingとcisgenomeパッセージを用いたピークコーリングを含むバイオインフォマティクス的手法を用いて、Gli1のゲノムDNA結合領域を同定した。得られたGli1結合領域において、どのような転写因子モチーフが有意に存在するか検討するため、Gli1領域領域中央から+/-50bpの領域を抽出し、de novoモチーフ解析を行った。その結果、Gliコンセンサスモチーフに加えて複数のモチーフが有意にエンリッチしていた。これらのモチーフを介してGli1が複数の協働因子と共に働く可能性が示唆された。
ゲノムワイド解析によるGli1下流遺伝子の同定:Gli1-KOとWT由来の間質系細胞の発現mRNAの比較を、次世代シーケンサーを用いたRNA sequencing(RNA-seq)により行った。Gli1-KOで発現低下を示す遺伝子をバイオインフォマティクス的手法により同定した。骨形成との関連が示唆された遺伝子を抽出しその機能解析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通り、今年度はGli1標的遺伝子の同定とGli1の作動様式の解析を行い、有望な結果が得られつつあるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、当初計画に従って進める予定である。
|
Causes of Carryover |
保有している在庫物品を利用することができたため。来年度以降に関しては新たに購入が必要の見通し。
|
Research Products
(3 results)