2019 Fiscal Year Annual Research Report
Dental caries prevention methods using GbpC glucan-binding domain in S. mutans.
Project/Area Number |
17K11961
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高島 由紀子 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (30589768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 道代 (松本道代) 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30359848)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Streptococcus mutans / グルカン結合タンパク / GbpC / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
齲蝕病原性細菌 Streptococcus mutans の菌体表層には、様々な病原タンパクが存在し、その中でもグルカン結合タンパク C (GbpC) は、齲蝕原性との強い関連性が報告されている。我々はこれまでに、バイオインフォマティクスの手法を用いてアミノ酸配列から GbpC の高次構造を構築し、これまでに明らかとなっていなかった GbpC のグルカン結合領域の特定を行った。特定された結合領域の合成ペプチドを用いて、これらをウサギに免疫することにより、抗血清を採取し、抗体価を Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay (ELISA 法) およびウェスタンブロッティングによって確認し、結合領域をターゲットとする抗体を作製した。得られた抗ペプチド抗体の作用について検討したところ、唾液タンパクのリゾチームとリコンビナント GbpC の結合を阻害することが明らかとなった。そこで、ELISA 法を用いて同様の実験を行なったところ、リゾチームが抗ペプチド抗体と直接結合していることがわかった。以上の結果から、他の高分子タンパクにおいて、高次構造を構築した場合にループを形成する部分は、GbpC と同様に分子への結合領域として存在する可能性が示唆された。さらに、結合ドメインを欠失させた S. mutans のヒト上皮細胞への付着は、蛍光イメージングを用いて測定したtころ、親株と比較して付着能が著しく低下した。そこで、ラット齲蝕実験系において、抗ペプチド抗体をラット口腔内へ直接投与することによる齲蝕の発生を調べたところ、明確な齲蝕抑制効果が認められた。本研究の結果から、GbpC のグルカン結合領域に対する抗ペプチド抗体によって結合領域の機能を抑制することが、齲蝕の発生抑制を引き起こすことから、齲蝕抑制物質としてこの抗ペプチド抗体の有効性を示すことができた。
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Research Products
(1 results)