2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the role of carbamylated peptide and NET for the association between periodontitis and rheumatoid arthritis
Project/Area Number |
17K11983
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 哲夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (00215344)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歯周炎 / 関節リウマチ / カルバミル化 / 好中球細胞外トラップ / 関連機序 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歯周炎と関節リウマチ(RA)の新たな関連機序を解明するため、RA患者群ならびに年齢・性別・喫煙・歯周状態が同程度の対照者群を対象に、Porphyromonas gingivalis感染レベル、血清中のシトルリン化変換酵素(PAD)、カルバミル化ペプチド(CarP)、好中球細胞外トラップ(NETs)の発現、P. gingivalis PADおよびシトルリン化ペプチドに対する血清抗体価についてプロファイリングを行うことである。 本年度は第2段階として、インフォームド・コンセントが得られたRA患者54名をさらに追加し、歯周検査、リウマチ検査、血液採取を行った。目標のRA患者100名に達した時点で、血清を抽出後にPAD-4の濃度、抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)に対する血清抗体価測定する。 昨年度に得られたRA患者40名のNETs血清レベルはRA活動度(DAS28)と有意な正の相関を認めたが、CarP血清レベルとDAS28との間に相関は認められなかった。これは、CarP陽性者の頻度が少ない(32%)ことが影響していると考えられる。また、NETs血清レベルとCCPに対する血清抗体価との間にも有意な正の相関を認めた。以上の結果から、NETsがシトルリン化蛋白の供給源の1つであり、NETs形成とシトルリン化蛋白産生がRAの病態形成に関与している可能性が考えられる。さらに、付加的な所見として、Janus kinase阻害薬を投与したRA患者ではDAS28のみでなく歯周状態も改善を認め、サイトカインシグナル伝達と歯周組織の炎症との関連が示唆された。今後、さらに対象数を追加して検討していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画においてプロファイリングを予定したRA患者および対照者の数と同程度の臨床検体数を確保でき、順調に解析や測定ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
歯周炎とRAの新たな関連機序の解明のためのプロファイリングをさらに進めるため、RA患者血清のP. gingivalis PAD(PPAD)に対する抗体価、内在性PAD4の濃度についても解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初の研究実施計画で予定したRA患者のカルバミル化ペプチド(CarP)検出率は約3割程度であることが初年度に判明し、統計解析の意義が乏しくなった。そのため、本年度では測定せず、費用総額が若干少額で済んだために次年度使用額が生じた。
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