2017 Fiscal Year Research-status Report
歯周組織再生に向けたマクロファージ・間葉系細胞間免疫調節療法のための基礎的研究
Project/Area Number |
17K11985
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 学 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (80379081)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
北垣 次郎太 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (90570292)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | FGF-2 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
まずはじめにマウス単球様細胞を1型マクロファージ (M1マクロファージ)、2型マクロファージ(M2マクロファージ)に分化可能であるかを検討した。マウス単球系細胞RAW264.7をEscherichia coli由来リポポリサッカライドあるいはInterleukin-4存在下で培養した。分化の程度を経時的に検討したところ、培養後24時間で十分分化しておりそれ以上の時間培養しても分化の程度は変わらなかった。培養した細胞を遠心分離にて回収しRNAを抽出してcDNAを作製して発現するM1/M2マーカー遺伝子群をリアルタイム法にて検討した。結果として、リポポリサッカライド存在下で分化させたマクロファージ様細胞はInterleukin-6やInducible nitric oxide synthase (誘導型一酸化窒素合成酵素)を強く発現していた。その一方、IL-4存在下で培養させて得られたマクロファージ様細胞はアルギナーゼ-1やClec7aを発現していた。すなわち、リポポリサッカライド、IL-4存在下でマウス単球系細胞RAW264.7はそれぞれM1様あるいはM2様マクロファージに分化することが明らかとなった。次に歯周組織再生療法に用いられる塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)存在下でマウス単球様細胞の分化がどの様に変化するかを検討した。その結果、LPS刺激により誘導されるM1様マクロファージはFGF-2存在下ではM2マーカー遺伝子であるアルギナーゼ-1、Clec7aの発現が誘導されることが明らかとなった。ただしEscherichia coli由来リポポリサッカライドあるいはInterleukin-4によるマクロファージ様細胞への分化・極性は、強くM1/M2にシフトさせていることが考えられるため、FGF-2の効果は認められるものの、分化に及ぼす影響は大きくはない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FGF-2存在下では、マウス単球由来マクロファージはM1様マクロファージの細胞性質がM2様マクロファージに変化する可能性が確かめられ、今年度の研究目標の大筋は達成されたと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウス単球細胞株を用いた実験結果を踏まえ、ヒト単球においてもFGF-2刺激により同様の傾向を示すのか、あるいはマウスとヒトでは異なるphenotypeを示すのかを検討してく予定である。 また、マクロファージと間質系細胞との相互作用についても検討する予定でる。
|