2017 Fiscal Year Research-status Report
低出力レーザー (LPLI) 照射が寄与する唾液分泌障害予防機序の解明
Project/Area Number |
17K12024
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
内山 敏一 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60419760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有川 量崇 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (50318325)
Bhawal Ujjal 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50433339)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 唾液分泌障害予防機序 / 低出力レーザー / LPLI |
Outline of Annual Research Achievements |
ドライマウスなど炎症性疾患は、高齢化社会に伴い増加の一途をたどっている。唾液腺を病変の主候とする慢性炎症性疾患で、唾液分泌障害とともに全身疾患が進行する。これらに共通する点は、炎症・糖尿病発症因子である。すでに申請者らは、低出力レーザー (LPLI) 照射は、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットの唾液分泌障害を有意に抑制し、唾液腺組織からドライマウス発症因子の遺伝子発現を増大し、LPLI 照射により有意に抑制することを明らかにした。本研究では、唾液分泌障害モデルマウス唾液腺にLPLI 照射による遺伝子発現を網羅的にトランスクリプーム解析し、情報伝達系をコアーとするデータベースを応用して光線治療法による作用機序の詳細を探索する。 本年度は、採取した唾液腺組織からRNAをmiRNeasy Mini Kit (Qiagen) を用いて抽出し、DNAマイクロアレイおよびmiRNAマイクロアレイを用いて網羅的遺伝子発現、miRNA発現解析[GeneSpring解析ソフト(Agilent)]を行った。さらに、マイクロアレイで得られたデータはIPA (Ingenuity Pathway Analysis)解析から予測される生物学的過程、転写経路およびネットワークの探索を行った。特異的TaqMan®プローブを用いてQuantStudio 6 Flexリアルタイム PCR システム(Applied Biosystems)によりmRNAおよびmiRNAの定量化した。また、ウェスタンブロッティング法によるタンパク質の検討は、ImageQuant Las 4000 Miniで観察した。DNAマイクロアレイ解析により同定された遺伝子の免疫組織化学染色を行った。唾液分泌量を算出し、細胞内カルシウムおよびアミラーゼ放出能を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の予定では、生後8ヵ月齢の唾液分泌障害モデルマウス(NOD/ShiLtJ)を用いて、治療効果モデルではLPLI照射 (total of 40 points, 70 mW, Wavelength of 660 nm, 20 J/cm², 0.56 J/point, 8 sec/point (Photon Lase III, DMC IND. CO., LTD., São Paulo, Brazil) 後より1週間、2週間、4週間自由摂取させ、網羅的遺伝子、microRNA発現解析および唾液分泌能量の評価を行うことであるが、概論に記載したとおり、概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、当初の研究計画通りに、生後3ヵ月齢、24ヵ月齢のC57BL/6およびDEC1ノックアウトマウスの唾液腺 (顎下腺・舌下腺) を採取し、RNAおよびタンパクを抽出する。その際、初年度と同様に以下の研究を行う。1)DNAマイクロアレイおよびmiRNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子、miRNA発現解析。2)初年度で同定された遺伝子およびmicroRNAをリアルタイムPCRによる検討。3)同定された遺伝子をウェスタンブロッティング法および免疫組織化学染色法による検討。4)in vivoおよびin vitroアッセイ
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